表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ルームメイトが幽霊で、座敷童。  作者: 巫 夏希
神事警察復活篇
48/212

巫女の憑物の除霊作業(後編)


 朝だったか夜だったかその時間は正確には解らなかった。姉ちゃんに叩き起こされた俺はまだ寝惚けていた。


「安崎さんが大変なんだよ! 急いで納屋に行くぞ!!」


 納屋は家の裏にある。納屋とはいっているが、今は只の物置に過ぎない。その言葉を聞いて俺は寒空に飛び出すためジャンパーを羽織り、外に出た。

 雪が降っていたのを覚えている。寒かったのはそのせいだろう。俺は空を見上げて……嫌な予感がした。


「大丈夫か? 納屋はもうすぐだ。寒いなら戻っていてもいいぞ?」


 それは嫌だった。安崎さんが心配だったからだ。ずっと俺たちを支えてくれた安崎さんに何が……。それを気にかけても、やっぱり安崎さんのあの姿を眺めたかった。見て、安心したかったんだ。

 納屋に着いた俺たちを待ち受けていたのは鉄の匂いだった。何故かは解らないが、それが血の匂いってのは直ぐに解った。近付いた。匂いはさらにきつくなる。納屋から……だ。

 胸の鼓動がどんどん大きくなっていくのが解った。不安からだが、この鼓動を……押さえ付けられるのは出来ないんじゃないかとも思えてきた。


「開けるよ……っ!!」


 扉を開けると更に生臭い匂いが鼻を刺激した。……たぶんこれは人の腐った匂いだろうか。


「安崎さん……?」


 納屋の奥には蠢く人影があった。姉ちゃんがまず声をかける。

 反応は、なかった。

 即ちそれは、既に神降ろしが行われたことを意味しており――。

 俺は二人目の大切な人を目の前で失った。



 ◇◇◇



「なにぼーっとしてんのよ!」


 碧さんのビンタで俺はようやく長い回想から復帰した。痛い。

 しかし、既に作戦は開始されていて……もうアルテミスの矢は発射まで僅かという刻。余裕すら生まれてしまうのも解るだろ?


「……ったく、ここまで振り回したんだからこれが終わったら神霊班のビルにゲームセンターの併設を注文するよ」

「ついにインベーダーゲームまで飽きたらず、そんなことまで?! もう碧さんオタクじゃねーか!!」

「残念ながらアニメはあんまり見てないのよ? 妖精さんとか心が交換されちゃったりとか決して逃げ出せないMMORPGとか?」

「案外見てるじゃねぇか!」

「でもまぁ、夏は嫌いかなぁ」

「もういいよ! ……ったく、とりあえずゲームセンターの用件はなし! 絶対通らねぇよ!」

「そうかしら? 案外笑い飛ばせるかもよ?」


 ――アルテミスの矢は、俺たちのそんな茶番を他所に発射準備を進めていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ