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ルームメイトが幽霊で、座敷童。  作者: 巫 夏希
神事警察復活篇
44/212

巫女の体質の有効活用(前編)

 更新遅れて申し訳ないです。

 ゆっくり更新しますので、どうかよろしくお願いします。


「班長さん!!」


 気付けば俺は班長さん目掛けて走っていた。危険性? そんなもの考えてなかった。ただ、ただ、無事なのか……それだけが気掛かりだった。

 しかし、それは虚しくも阻止された。


「祐希、何故止める!!」

「……巫女の体質、それはリトも知ってると思うけど、霊媒体質にあるの。それも、幽霊にとっては凄く憑きやすい環境にある。そして離れにくい環境も兼ね備えている」

「……それがどうした……?!」

「つまりは、班長は、あのカミサマを封印するつもりなんだよ。……めぐみさんみたいに、ね」



 ◇◇◇



 もうどれくらいの時間を浮遊しただろう。

 もうどれくらいの時間を過ごしただろう。

 あの二人は……大丈夫なのだろうか。考えるだけで……ふつふつと湧き出てくる、何か。


「これはいったい……なに?」


 彼女はその正体を理解していなかった。

 彼女にはその正体が何なのか解らなかった。

 けれど、その感情は誰でも解るものだった。

 これは……、



 ◇◇◇



「いいか、リト。班長が今あのカミサマを押さえ付けている。その間にそれが何者なのか突き止め、弱点を突いて再封印する必要があるんだ」


 祐希の言葉は簡略かつ的確なものだと、俺は直ぐに思った。そして、それが“作戦参謀”の誕生ということは、その時俺は解らなかった。


「……リトは碧さんを従えて何とかあいつを取り押さえて。今使えるのはきみの封霊銃だけだけど……僕の神憑きじゃ押さえきれないだろうね」

「……解った、やろう」

「えーめんどい!」

「めんどい! とか言うんじゃねぇよ! ちょっとは幽霊らしくがんばってもいいんじゃないか?!」


 えーめんどくさい私無理ー。とかこういうときに限って碧さんはぶりっ子体質(というには限らない。何しろ特定のタイミングにしか出現しないからな。)を発動させるんだ?! いい加減ちゃんと働いてくれねぇか?! 憑き物税(税は収入の七パーセントで、これで意外に国の収入を賄えてるらしい。ちなみに憑いた幽体に課すのではなく、憑かれた者に課すのだ。つくづく誤っていると思う。)を支払ってるのは俺なんだぜ!!


「だって憑き物税は『憑いた幽体に権利を与える見返り』でしょ? このお陰で大分国も潤ってるみたいだし、寧ろ感謝してほしいくらいだわ」

「俺は感謝しねーんだよ! 二年前、あんたに憑かれた時流行った『憑き物税確認サービス』! 覚えているか?! きっと覚えていないだろうな!!」


 憑き物税確認サービスとは二年前に流行った詐欺だ。憑き物税確認、即ち憑き物がいるかどうか確認するのがそれで、しかし憑き物を確認するにはその憑き物と心合わせをせねばならない。心合わせ……簡単にいえば、幽体の動作に身体がそれを理由として反応したら心合わせが“成功”したことになる。簡単なようで、これが意外と難しいんだぜ?


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