巫女の兄貴と女装男子
「茶番はここまでにしておきましょうか」
突然、祐希がそんなことを呟いた。
と、同時に祐希は封霊銃を――あろうことか、班長さん兄に向けて構えていた。
「……おい、祐希。おまえどうした……!! 何をしている!!」
「何をしている? みればわかるでしょ?」
「まさか……封霊銃を撃つとか言わねえよな?!」
「ええ。そうよ」
そして――
乾いた銃声が、アパートの部屋の中に広がっていった。
しかし。
お兄さんが倒れることは――なかった。
「……おい、こいつあ……どういうことだ?」
「見ればわかるだろ。そのままの意味だよ」
よく見ると、お兄さんの身体は少しだけ蒸気が吹き出ていた。一体全体どういうことだ?
「……ねえ、祐希。これは一体どういうことなの……!!」
「班長。何も言わずに独りで行なったことには申し訳ないと思っています。しかし……こいつは致死誘発性を持つ霊体の可能性が高いのです」
致死誘発性……名前のとおり死を招く性質ってわけだ。霊体の中には生体エネルギーを吸い取って、sれを生活の源へ充てているのもいるから厄介だ。
「……つまり、あれはニセモノってこと?」
班長さんも仕事っぽさが出てきたのか、早速オニイサンモドキをあれと言い出した。まあ、あれで充分なんだけどな。
班長さんは押入れに入ってしばらくして――戻ってきたときにはあるものを持っていた。
それは俺が持っているのと少し似ている、旧型の封霊銃だった。




