表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ルームメイトが幽霊で、座敷童。  作者: 巫 夏希
ホープダイヤモンド・ゲーム編
178/212

世界の未来と終了条件


 部屋を出ると待ち構えていたかのように信楽さんが笑っていた。


「やっぱりあなた……性格超悪いですね、『アマテラス』で消え去るぐらいひどいんじゃないですか?」

「お褒めいただきどうも……」

「褒めてないですよ! 今の発言をどう読み取ったらそうなるんですか!?」

「んで、君の考えをお聞かせ願おうか」


 信楽さんが小さく溜め息をついた。なんだ、まさか本気だったのか? ……そんなことは考えたくもないので、俺はさっさと結論を告げた。


「……やはり、あの城にゲームシステムの根幹を為すものがあると思う。聞いた限りでは、その城は季節の変わり目を知らせてくれたりとゲームシステムに重要な役目を果たしている。恐らく何かがあるはず……だと思う」

「……火山をクリアするという手もあるんだが?」

「武器も防具も殆どない俺らにどう戦って火山まで?」


 俺がそう言うと、「そりゃあそうだ」という感じに信楽さんは両手を顔の高さにまで上げた。


「じゃあ火山特攻はなしか……」

「特攻ってなんですかそれ! リスポーン出来ないんですよ!?」

「君の犠牲は無駄にはしないよ……」

「そういう意味じゃなくて!」


 何だか信楽さんは天然なのかわざとなのか解らないくらいの言動だ。だが、敢えて言おう。信楽さんは後者だ。確実に、自分が楽しむために言っている。なんやかんやで最低じゃねぇか! と自分でその回答を出してしまうくらいに、最低に思えた。


「……で、だ。どうするね?」


 暫く会話に参加していなかった碧さんが訊ねる。そういや美夏さんはどうしたんだ……?

 と、思ったが美夏さんはバルコニーにある椅子に座って何かを飲んでいた。和みすぎだ。これが日本神話最強のカミサマと言っても、どれくらいの人間を信じ込ませられるだろうか。


「……で、聞いてる?」

「あ、あぁ。聞いてる。勿論だ。当たり前だろう」

「なんだかずっとあっちのバルコニーの方ばかり見ていた気がするなぁ……」

「き、聞いてたよ! 当たり前じゃないかハハハ!!」


 俺にとってかなり苦し紛れの言い訳だったが、何とかこれで逃げられたようだった。何故なら、碧さんはそれを聞いて小さく溜め息をつき、「まぁ、いいや。とりあえず話を再開させないにゃ」と呟いた。

 なんとか思い過ごせた、と俺は心の中で溜め息をついた。ばれたらばれたでそれは辛いかな。


「あんたが考えているのは城に行く方なのよね?」


 碧さんに言われ、頷く。

 それを観て碧さんはひどくつまらなそうな表情を見せた。


「ふぅん……やっぱそっちか」

「なんだ、不満があるなら言ってみろ」

「不満、というレベルなんだけどね」


 そう前置きして、碧さんは話し始めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ