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ルームメイトが幽霊で、座敷童。  作者: 巫 夏希
ホープダイヤモンド・ゲーム編
174/212

ゲームの職業と趣旨説明(前編)


「どうしたの、リザ?」

「どうした、じゃないよ。結局、何で今日は営業時間外に来たのか、なぜこんなにたくさんの非戦闘員を連れているのか、聞きたいことはたくさんあるぞ」

「まぁ……その、いろいろあるんだけど」

「私たちは、この世界を解放しにきた」


 リザとヒトミが話をしているところに、痺れを切らしたのか、唐突に信楽さんが割り込んだ。

 それを聞いてなんというか……リザは暫くの間何も言えずにいた。信楽さんが言った言葉が理解出来なかったのだと思う。


「……つまり、外から来た、と?」

「あぁ、そういうことだ」


 信楽さんはそう言って麺をかっ込んだ。まだ食べ終わっていなかったのか。


「そう……だったんですか」

「急に来て、済まなかった」


 信楽さんはそう言ってこうべを垂れた。


「いえ、本当なら……嬉しいんですけど、なんというか複雑で……」

「気持ちは解る。まさか私たちもこのような形で君たちを助けに来られるとは思わなかった。……外の世界で、操っている人間を倒しサーバを操作して解放という形にしようと思ったんだが、いやはやそう簡単に事は進まないね」

「それで、このゲームの知識は……?」

「さわりしか覚えていない」

「なら、ヒトミ。あなたが教えてあげればいいじゃない!」


 そう言ってリザはヒトミの肩を叩いた。

 ヒトミは少しだけ考えて、言った。


「リザに促されるってのはちょっちあれだけど……やります。まずは、この世界の歴史を学びましょう」



 ◇◇◇



 ヒトミの講義は四時間に及んだらしい。なぜ仮定形なのかといえば中盤付近で寝てしまったからである。だって、今日一日は色んなことが有りすぎたんだ。それで睡眠時間も削られたら今度こそヤバイ。あぁ、個人事務所の頃が懐かしい。

 信楽さんだけが四時間ずっと起きて講義を聞いていたらしい。そのメモから俺もようやく『ホープダイヤモンド・ゲーム』とは何かが見出だせてきた。



 ホープダイヤモンド・ゲームには大陸自体は一つしか存在していない。その大陸を『パンゲア』というらしい。パンゲア西にあるのは一番栄えているトロングラッシュで、この世界『マグナカルタ』の首都にもなっている。

 マグナカルタが誕生したのは、今から二千年前(勿論二千年も前からそのサーバがあったわけではない。そういう歴史があったということだ)である。聖剣を携えし勇者がこの世界に剣の力を注ぎ込んだところで世界は平和になり、そこに町を作った……まぁ、有りがちな設定ではある。

 そんな有りがちな設定だからこそ、ある程度に集客が来たのだろう。そして、その数だけの魂をその世界へ幽閉した。

 まるで設定自体がこのゲームに閉じ込めるための餌のようにも思える。実際にそんなゲームだと知らなかったら、俺だって惹かれそうだ。


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