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ルームメイトが幽霊で、座敷童。  作者: 巫 夏希
ホープダイヤモンド・ゲーム編
162/212

ゲームの内容と状況確認(後編)


 ゲームの説明を聞いて、そう時間も経たない時のことだった。不意に信楽さんが俺の肩を叩き、小さく耳打ちをした。


(……確実だ。『perovskite』はホープダイヤモンド・ゲームの模倣……いや、パワーアップさせたものだ)


 そうと決まれば回収せねばならない。少なくともこれ以上の被害者は出してはならないんだ。

 しかし、信楽さんの動く気配はない。……どうしたんだ?


「どうしました?」

「少し……人が消えてからにしよう」

「なぜ……って、あぁ、そうですね。確かに今騒ぎを起こせば、他にも火種が飛びかねないし、何しろ秘密任務の秘匿性が失われますからね」

「それもある」


 信楽さんは続けた。


「しかし、それではないな。……もう気付いている可能性すらある」

「どういうことですか?」

「気配が違う。今ここにいる人間は三人しか居ないはずだ。……にもかかわらず、気配が『四つ』ある」


 その言葉を言った、ちょうどその瞬間だった。


「……やはり、オカルトの部署が来たかね」


 余兆はなかった。

 次の瞬間、俺の体は横殴りに飛ばされた。

 ノーバウンドで会場の端まで、一直線に、だ。


「がはっ……!?」


 ちくしょう……、急に殴ってきやがって! なんとか美夏さんの力を借りたからなんとかなったものの、突然何だって言うんだ?!


「……どうやら、来たようだな」


 信楽さんは銃を構えて、いた。

 信楽さんの目の前には、ひとりの男がいた。俺には、それが見覚えがあった。それは……確か、捜査のファイルで見た人間……。


「さっさと戻ってこい、瀬谷理斗! 君にだってこいつが誰だか解って居るんだろう!」

「瀬谷? ……ははっ、『神憑き』がまさかあんなひよっ子だとは思わなかったな」


 彼の身体からは禍禍しい……オーラだろうか? 何かが見えるためか、身体自身が大きく見える。そのオーラは……よく見れば、人のようにも、霊体のようにも、見える。

 碧さんが、驚いた表情で呟いた。


「あれ……よく見ればカミサマと同化しているんじゃないの……!? なんて馬鹿げた行為をしたものよね」

「同化、だと?」

「そうだ。同化だよ」碧さんは続ける。「カミサマのような霊体とは普通はできないはずなんだけどね。人間ってものは霊体が一つしか入ることができないんだけど、それを強引に霊体を二つ突っ込むカタチにしたのが、同化だ。……あくまでもちゃんと格式張ったものがあるけれどね」


 つまり、つまりだ。

 同化をしたことで、あの人間は人間以上の力を手に入れたのだということだとおもえば、全てが納得する。そして、あの人間こそが――


 ――神憑きで、『ワダツミ』を憑かせている海馬王明であった。


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