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ルームメイトが幽霊で、座敷童。  作者: 巫 夏希
ドイツ・猿の手編
130/212

精神の融合と大救出劇


「……とにもかくにも、やらねばならない。そんなことになってしまえばカミの力は戦争の道具として格好の的だ。まず、あっという間に軍に囚われ、軍人という道を歩まざるを得ないだろう」

「ヴンダー、それは確かにそうだが……まずはどうしろと言うんだ? というか僕の封霊銃はいったい何処へやった?」

「まだそれくらいの根性があるなら、簡単だろう。封霊銃は……恐らく人工進化研究所の連中に奪われた。なにせ日本の技術が密集した対オカルト装備だ。他の国も喉から手が出るほどにほしいに違いないだろう」

「みすみす奪われた、ってのか?!」

「仕方ないだろう、あの時出てたら俺が捕まっていた。こうして五体満足で居られるのは俺のおかげだってことを少しは気付いて貰いたいものだが」


 ヴンダーの言い分も解る。しかし、これが無くては戦うことが難しくなる。

 第一、相手の装備がどんなものだか把握していないのだとなると、ますます難しくなる。


「おい、余所見ばかりしてないで転ばないでくれよ?」

「……解っているよ」


 今居る場所が廊下だと定義出来るのかは難しいところだが、確かに僕は廊下にいた。ところどころ穴が開いていたが、その穴は規則正しく開けられていて、なんだか不気味だった。


「うーむ……なんだろねこの変な感じ」

「それは思った。……穴が開いているが……一つだけその穴が閉ざされているんだ」

「え、どれ?」


 ヴンダーはいつの間に何てものを見つけたんだろうか。とりあえず僕はヴンダーの指差した方向へ向かった。

 そこには確かに漆喰の床があった。他の床とは素材が違うから、違和感すら感じられる。……何かが封印でもされているのだろうか?


「果たしてどうやって下に行くかな」

「めんどくさい、捕まれ」


 そう言ってヴンダーは強引に僕の身体をヴンダー自身の方に引き寄せた。


「何を……!」

「いいから黙ってろ。舌噛むぞ」


 言って。

 ヴンダーは思い切り地面に拳を打ち付け、それは地面を穿った。

 そしてヴンダーは重力に抗って、質量のない羽根のようにふわふわと、華麗に、優雅に落ちていった。

 ゆっくりと、静かに十メートル近く下にある地面に確りと足を着いた。


「着いたぞ」

「やるならやるって言えよ!! 有言実行ならぬ有言直行だよ!」

「うまい」

「そーじゃなくて!!」


 あぁ、もう! 本当にひねくれたカミサマだよこいつは!!


「……まぁ、だが収穫はあったようだぞ」


 ヴンダーがそう言うので、僕はそちらを見た。

 そこに居たのは、マリナさんとめぐみさんだった。



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