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幽霊が妖怪で求婚地獄

「ちょっと待てって。俺はそもそも人間。あんたは幽霊だ。どうしてこうして幽霊と人間が結婚出来る?」

「幽霊じゃないですよわたし?」

「は?」

「雪女って知ってます?」

「逃げようどおりでこの部屋寒いと思った」

「まあいいじゃなーい」

「どーしてあなたはそっちの味方をするの?! 所詮幽霊はそっちの味方なの?!」

「私は面白ければどっちだって構わないんだけどねー」

「悪魔! 鬼! アーリマン!」

「わたしその宗教崇拝してないんだけど?」


 そんなことはもはやどうでもいい。一体どういうことだ? 幽霊じゃなくて妖怪? え? そんなのあり?


「ありですよ。そうじゃなかったら私ここにいません」

「カタコトっぽいのはなぜだ……まあそうならこの部屋の温度がここまで涼しい理由も頷けなくはないが……」

「じゃあけっこ「だめ! それだけはだめ!」

「なんでですかーいいじゃないですかーどうせ人間だって相手とくっついてはひっぺがえすの繰り返しでしょ? いいじゃんそのうち一回が妖怪でも」

「あれー?! キャラ崩壊してない?! さっきまでそんな喋り方だったか?!」

「だってあなたが結婚をそんなに拒むんだもの……」

「だってそうだろ! 人間は何度も結婚するかもしれんが、それを決めるのは一応一世一代のナニかが働くんだよ!」

「……じゃあそれが解決すれば結婚してくれますか?!」

「だめだ話がまったく進歩してない」


 俺は落ち着くため深呼吸した。とりあえずこいつから逃げる方法を考えねばならない。……どうしよう。


「……どうすんの? モテ男」

「幽霊と妖怪にモテても困るんだけどな」

「あら、そう?」

「幽霊が強気な発言をするな……てか胸ぶつかってるし!」

「あんな貧乳幼女のどこがいいわけ? あんたロリコン?」

「違うし! ぶつかってるし! なんかデジャブ感じてるし!」

「ぐむむ~! 貧乳はステータスです、希少価値なんです!」

「こっちはこっちでマイナスにマイナスかけてプラスにしやがった?!」


 とりあえずどうする。この見た目変な人間の状況を打開するには――! まさか犯人が雪女だって思わなかった。もしわかってたらさっさと“ツテ”をたどって宮内庁神霊班にでも頼むんだった……!


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