三半規管に負担がかかる
メインゲートを抜けて、ベンチに座って園内マップを描いたパンフレットを開いて、三〇あるアトラクションの位置を確認した。
「それでどれから乗るんだ?」
初登園の俺は門外漢だから、有無を言わさずカナ姉の指示を仰がざるを得ない。
「う~んとね」
俺が広げたパンフレットを覗き込むと、カナ姉の身体が必然的に接近した。その時、ふと気が付いた。
カナ姉はこんな香りだったか?
服装の件といい、香りといい、俺の知っているカナ姉とは違っていて、正直戸惑ってしまった。
「これ、これから乗ろう」
カナ姉が指すパンフレットのアトラクションをわざとらしく覗き込んで、現在地からの位置を見た。俺の戸惑いを見透かされる訳にはいかなかったから。
象型の背中に乗って旋回するアトラクションやら、船型の乗り物が前後に振り子運動するアトラクションやら、アームがゴンドラの側面に付いたアームが支柱を中心に回転しながら、そのゴンドラ前後に揺れるアトラクションやら、一人乗りのブランコが支柱を軸に旋回するアトラクションやら、本当に空中飛行関連の乗り物に立て続けに乗った。
三半規管には通常ならざる負担がかかったろうが、絶叫マシーン系ではなかったので決定的なストレスにはならずに、顔面蒼白にならずに済んでいた。




