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入場
バイパスを経由して四十五分ほどの乗車で着いた遊園地は、林野を開いたようなところにあった。
カナ姉のさすがの所は、クーポンと学生割引を有効に使っていたことで、前夜に準備したとは思えないほどの優れた対応だった。
「友達と来た時に教えてもらったしね。私達の田舎とは違うからさ、いろいろと知らないとね」
入園チケットをヒラヒラと揺らしながら、カナ姉はそんなことを言った。
俺とカナ姉の田舎には遊園地などはない。水族館も動物園もない。子供たちが喜びそうなそういう施設に行くには、連休や夏休みなどの時に親に連れて行ってもらうか、修学旅行を心待ちにするかだった。だから、遊園地へ手慣れた風でやって来たカナ姉の姿に、俺は過去とは違ったフィルターをかけなければならない心境になっていた。




