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こんなことがありました。  作者: 金子よしふみ
第三章 出会い
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松竹梅春教諭

 後々聞いた、この梅春教諭という地理担当の授業。視聴覚室で公共放送的なものや旅行ドキュメンタリーなどのVTRを見せたり、生徒一人一人の机上に地球儀を用意したり、日本の白地図を農産物・工業・漁業などの産業ごとに色塗りをしたり、屋上で空を見たり……一言でまとめるなら教科書なんぞまともに使っての授業や板書などしないとのこと。

 それにしても空を見るって、小学生の観察じゃないんだからと、梅春教諭に言ってしまったことがあった。そうしたら、梅春教諭はこう言って返した。

「国仲。大人になるってのはな、空を見上げなくなるってことだ。空はいろいろ教えてくれる。それに耳を傾けないなんて、大人ってバカだろ?」

 と。そりゃ、雲とか見ていれば明日の天候とかはわかりそうだがなと、つぶやいたところ、

「そういうことじゃねえよ。ま、まちっと経たないと分かんねえだろうな」

 いたずらっぽく答えられた。

 いまだによく意味が分からないけれど、なぜか覚えている言葉となった。


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