またしても出てきたフレーズ
「もういい」
頭を抱えたくなった。というよりも痛いぞ、さくら教諭。情熱のベクトルが確実に間違った方向に向かっている。十個ある、サービス問題を全部見ることができなかった。事実、さくら教諭曰くのサービス問題は、全くサービスにはなっていなかったが、生徒たちはさくら教諭のあの感じを温かいまなざしで寛容にしていたそうだ。
それにしても。設問一の正答が結構多かったそうだ。BMI、つまりボディ・マス・インデックスは身長をセンチメートルで小数第二位までで表し、それを二乗した後、体重で割り、体脂肪率を求めるもので、設問にはさくら教諭の体重は書かれていない。だから正答など求められるはずはないのだ。適当な数字が当たっていたのだろうか。
「いや、カミ様のおかげだな。オレも含めて」
またしても登場のカミ様。
「こないだ言ってた話か」
だとしたらよっぽどご利益のいい神様だな。
「だから言ったろ? な、今度行こうぜ」
アホでも自分の身に関することであるならば、記憶は忘却されることはないようである。そんなことを覚えるんだったら、もっと覚えておくことがたくさんあるのではないだろうか。さくら教諭並みに痛い回答を日本史のテストで見たぞ。
「大森貝塚を発見したアメリカの動物学者は誰でしょう。――モス」
モースだろ。なぜ、ファーストフード店が貝塚を発見する。そこに疑問を持たなかったのか? (まあ、そんなアホにもご利益があるようなら、俺も参拝しておくか)
などと思いながら鷹鷲にテスト用紙を返したのだった。




