表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こんなことがありました。  作者: 金子よしふみ
第一章 これから振り返ります

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/40

晴れ渡るにはほど遠い

 雲一つない晴れ渡る空が、夏休みが始まるという気分を否応なく高揚させ、無言で配布されながらも多弁な成績表などというのは、一睡の夢でしかないかのように錯覚させる。

 一学期終業式の一般的なそんな感覚を、昨日の俺が感じているはずはなかった。

 というのも、俺の心はちっとも晴れ渡ってはいなかったし、高揚なんてものもしていなかった。いや、高揚っぽいものはあったか。高揚と書いて緊張とルビをふるみたいなものが。そして、そんな状況に追い込まれたことを思い出して、ただただ二酸化炭素の排出量を増加させるくらいしかなかったのだ。

 転校してきた高校での初めての夏休みを迎えるというのに、俺がそんな梅雨の残像を引きずるくらいに湿っぽくなっていたのには、もちろん理由があった。それは、大体育館に集合した、総勢約六〇〇名の全校生徒の前で、壇上から発表をしなければならないということがあったからだ。

 しかしだ。それは優秀賞を取った読書感想文の朗読とか、二年生ながらも生徒会役員として奮闘したことへの拍手喝采後の一言とかいったものではまるでない。そもそも後者は転校して日の浅い俺ができるものではないし。

 では、心躍るはずのそんな日になぜ俺がそんな絶賛メランコリック中だったかと言えば、それは、とある実験結果の発表だったのである。

言っておくが、俺は本来そんな大役を仰せつかっていたわけではない。俺はあくまでその実験の協力者でしかなく、壇上に立っていなければならない張本人が出席不能の状況に陥ったので、代理に任命され、致し方なくなったのだったである。


 という導入があれば、当然のことながら、これから述べるのは、その実験にかかわることの顛末になるわけだ。

 しばらくの間、俺のモノローグにお付き合いいただけないだろうか。言っておくが、長くなるけどな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ