家に帰る蛇と街に舞い降りた狩人
彼女が自覚さえしていなかった待ち時間は、十六歳の誕生日から数日後、唐突に終わりを告げた。暖かい日の午後、コラベルはいつものように庭園におり、父が禁書としている本の一冊を読んでいた。その本は神話上のサミアラについて魅力的な考察がなされており、イタリカから持ち込まれたものだった。
言葉が彼女を夢中にさせていたその時、突然の感覚が体を駆け巡り、静寂は破られた。それは彼女がひどく恋しがっていたもの、過去からの半ば忘れられた響きであり、親密であると同時に古えのものであった。その源は不明だったが、存在は確かだった。彼女はもはや一人ではなかった。
コラベルはベンチから立ち上がり、本を赤い絹のガウンのひだに滑り込ませた。見られているという確信に、肌が粟立った。しかし、どこから?恐怖の震えを帯びた奇妙な興奮が、彼女の中で渦巻いた。この存在が、慣れ親しんだ生活から自分を引き裂くであろう、大いなる変化の兆しであることを、彼女は深く認識していた。どうして私にわかるというの?その考えが新たな恐怖の波となって彼女を襲い、思わず足を止めそうになった。しかし、彼女はその不安を振り払い、手入れの行き届いた芝生に目を走らせながら歩き続けた。
奇妙な静けさが訪れた。ついさっきまで空気を満たしていた陽気な鳥のさえずりが止んでいた。穏やかな風さえも息を殺しているようで、木の葉一枚揺れなかった。その静寂は、彼女自身の高鳴る心臓の鼓動を際立たせた。何を求めているの?疑問が心に浮かぶと、その向こうのどこかから、静かで、遍在する思考が答えを示した。お前を。それは想像の産物だったのか、それとも風に乗った囁きだったのか。
「誰かいるの?」生け垣の迷路の中央広場で、コラベルは立ち止まった。彼女の声はかすかに震えていた。猟犬に追われた雌鹿のように、彼女は完全に無防備だと感じた。しかし、反抗の精神が内側で目覚め、戦わずして捕まるつもりはなかった。彼女は身をかがめ、歩道からギザギザの石を拾い上げた。その場しのぎの武器は、実際の防御にはほとんど役立たないものの、彼女の勇気を奮い立たせた。
傷つけはしない、小さき者よ。私を恐れるな。
その声は音としてではなく、純粋な思念として彼女の心に現れた。それは異質でありながら、不気味なほど親しかった。突如、あり得ないはずの気づきが彼女に訪れた。コラベルの指から力が抜け、石が旗石の上に落ちて砕けた。彼女は、何年も前に自らが植えるよう命じた木立を見つめた。ここは彼女の庭、何よりも大切にしている聖域だったが、その所有権など今となっては何の意味も持たなかった。重要なのは感情、あの共鳴する古えの繋がりだけだった。
信じろ。その命令が彼女の中で響いた。
「姿を見せなさい!」彼女は叫んだ。その声は、涙を誘うほど不可解な興奮に満ちていた。
背後で何かが動く気配がして、彼女ははっとした。それは彼女が感じていた存在ではなかった。振り返った時には、すでに手遅れだった。力強い腕が彼女の腰を掴み、足が地面から離れ、体は宙で回転させられた。その予期せぬ攻撃が神秘的な繋がりを断ち切り、庭にいたもう一つの存在は沈黙した。
コラベルは驚きの叫び声を上げた。それは狼狽と驚愕が半々になったような悲鳴だった。地面に足が着くと、彼女は攻撃者に向き直り、そこに悪戯っぽく笑う兄のジャロンを見つけた。
「やあ、おちびさん、姿を見せたぞ!」と彼は笑った。
その代償として、彼は頬に鋭い平手打ちを受けた。「あら、期待していた客人ではなかったかしら?」
「なんてことを!心臓が止まるかと思ったわ!」彼女は叫んだ。しかし、驚きが薄れると、純粋な喜びがそれに取って代わった。彼が温かく抱きしめると、彼女もまた、力強く情熱的な抱擁で応えた。
「その方がいいね」と彼は彼女を見下ろして微笑んだ。コラベルは、ジャロンが留守の間にずいぶん変わったことに気づいた。かつては短かった茶色の巻き毛は首筋に触れるほどになり、手入れの行き届いた髭が力強く彫りの深い顎を縁取っていた。家族の誰よりも背が高く、引き締まった筋肉質の体つきで彼女の前にそびえ立っていた。もし彼が兄でなかったら、彼女は喜んで彼の美貌を認めていただろう。
コラベルの注意が逸れても、あの存在は消えてはいなかった。コーヴァスは、心温まる再会を、見えざる場所から募る焦燥感とともに見ていた。あの無骨な兄が、彼の周到な待ち時間の集大成であったはずの瞬間を台無しにしたのだ。一瞬の躊躇を覚えた自分自身に、自己嫌悪の波が押し寄せた。好機は失われた。仕方あるまい、と彼は延期を受け入れた。二人が庭を去っていくのを見送り、迷路から出るときにコラベルが彼の隠れ場所の方を振り返るのを感じた。芽生えたばかりの、しかしやがてその完全で恐ろしい輝きを放つことになる繋がりを通して、彼は彼女に手を伸ばした。いずれまた会おう、我が愛しき者よ。だが案ずるな、必ずお前は私のものになる。
ジャロンの帰郷が、単に家族の義務という途絶えた絆を修復するためだけのものではなかったことは、すぐに明らかになった。彼は許嫁という慣習を避け、海外に渡って自ら妻を探していたのだ。彼が言うには、その知性と人柄で彼を魅了する女性を。コラベルには、まるで彼が自分自身の片割れを探していたかのように聞こえた。彼が最初にその探求を明かしたとき、彼女は密かに彼の試みが失敗に終わるだろうと思っていた。今、コラベルは人生で初めて、自分が完全に、全くもって間違っていたのかもしれないと認めざるを得なかった。
彼の勝利の証は、今や正面の客間に座っていた。ロウィーナと名乗るその若い女性は、コラベルより数歳年上といったところだった。彼女の最も際立った特徴は、鋭い知性をうかがわせる、洞察力に富んだ金緑色の瞳だった。ジャロンのように背が高くしなやかで、洗練された貴族的な美しさを備えていた。コラベルは彼女が少し痩せすぎていると思ったが、自分の意見など重要ではないと受け入れた。
ロウィーナの金色の髪は、若い女性にしては気取らないようでいて、どこか厳格さを感じさせるスタイルに結い上げられていた。彼女のガウンは最高級の絹でできていたが、まるで年配の未婚女性のドレスのような控えめな厳しさがあり、その顔立ちは非常に繊細で、ほとんど脆く見えた。コラベルには彼女が慎重に守られた秘密を抱える生き物のように思え、その本質を掴むことができなかった。ロウィーナの穏やかな外面は、その瞳にきらめく鋭い知性によって裏切られていた。
コラベルは、ジャロンが本当にこの女性に魅了されているのか、それとも彼自身が作り上げた謎に惹かれているだけなのかと疑問に思った。この不安は、兄を失うことへの嫉妬から生まれるのか、それとも真の洞察の結果なのか?ジャロンと両親が婚約について話している間、ロウィーナの視線はまるで心を読むかのように、ぞっとするような鋭さでコラベルに注がれていた。コラベルは視線を逸らすことを拒んだ。二人の若い女性は、ロウィーナの唇が微笑みの形に歪むまで、無言の意志の戦いを続けた。その笑みは、彼女の他の物腰と同じくらい計算高く、見せかけだけのものに見えた。
彼女を信じるな、とコラベルの意識の中で声が叫んだ。最愛の兄が騙されているという、強く揺るぎない予感がした。その微笑みは彼女の恐怖を確信へと変えた。彼女は今まで感じたことのないような冷たい怒りを感じた。ジャロンのためにそれを抑え、彼が彼女と交わす熱心で不安げな視線を観察した。彼の幸せを壊してまで自分の疑念を口にすることはできなかった。そのような対決に求められる無情さを持ち合わせていなかった彼女は、意見を求められたとき、冷静にこう言った。
「ジャロン、彼女は美しいわ。まだ知り合って間もないから、彼女の人柄について正しく判断することはできないけれど、あなたの判断を信じているわ。あなたの愛する人なら、きっと素晴らしいはずよ。婚約は良い考えだと思うわ。」
「よく言った、我が娘よ」と父は言い、最初の疑念を解いた。「ジャロン、私も妹君に同意する。お前が彼女を愛し、彼女もまた良家の出であるならば、良い縁組だろう。どう思うかね、あなた?」彼は妻に尋ねた。
母親は最初から賛成しており、「息子の幸せのためなら、喜んで祝福いたしますわ」と温かく微笑んで答えた。
真の難関は父の承認を得ることであった。ジャロンが言及したロウィーナの貴族の血筋と、コラベルの巧みな支持が相まって、家族の祝福を勝ち取ったのだ。それがなければ、結婚は進められたかもしれないが、その代償は大きかっただろう。もし父が反対すれば、ジャロンは勘当されていただろうことを誰もが知っていた。
コラベルは兄の顔に浮かんだ深い安堵の表情を見た。ロウィーナが立ち上がって彼の抱擁を受け入れたとき、コラベルが見たのは、もうすぐ花嫁になる女性の繊細な喜びではなく、勝者の冷たく、狡猾な勝利の表情だった。
見えざる場所から、コーヴァスはコラベルの衝撃をまるで自分のことのように感じていた。二人の繋がりが、彼の心に渦巻く混乱への扉を開いたのだ。兄の婚約の知らせは、より深く、より古えの結合を目指す彼自身の野心にとって、完璧な火付け役となった。ある晩、獲物を狩っていると、好機が訪れた。コーヴァスは気まぐれから、若い男を餌食にする前に長々と話をした。その男はラスコヴァから来た旅の貴族で、まだアルビオンではその存在を知られていなかった。彼は自身の素性を秘密にしていたが、コーヴァスに告白は不要だった。一滴の血を飲むごとに、真実が、若者の記憶、知識、そして彼の全存在が、コーヴァスの中へと流れ込んできたのだ。
ニコライ・ヴォルコフ伯爵という身分を手に入れた今、コーヴァスは社会の上流階級に潜入することができた。兄のジャロンと親しくなり、コラベルの生活に溶け込み、そして彼女を自分のものにするのだ。その仮面舞踏会は素晴らしいものになるだろう。不運なヴォルコフ伯爵の体は、森の中に無造作に葬られた。その後、コーヴァスと彼の二人の眷属は、その若い貴族が密かに借りていた広大な田舎の邸宅に降り立った。数少ないラスコヴァ人の使用人たちを虐殺した後、彼らはやすやすとそれぞれの役割に収まった。それは、彼がコラベルを奪い去ろうと計画している世界への完璧な潜入の始まりであり、彼はこれから訪れるであろう欺瞞に満ちた一つ一つの瞬間を思う存分楽しむつもりだった。