それぞれの戦い4
先程より、さらに速く、男がレノに拳を振るう。
だが、レノは既にそこにいない。
自身が出した白いキューブ。そこへと瞬間移動していた。
ゼルファ家の血統魔法の一つ。『固有結界』
自身の魔力で作り出した白いキューブ。結界への瞬間移動。
ーー先程の女を移動させた時に感じたが、やはり空間系の魔法使いか。
ーー見るに、さっき奴がばら撒いたあの白いキューブに、瞬間移動する魔法。
ーー中々に厄介だ。が、
「好かんなぁ……そういった小細工をろうする魔法は!!」
また更に速く、男はレノに拳を突く。
「当たるかーー……」
またも飛ぶレノ。
今度の移動先は男の真後ろ。
今度はレノが、魔力を纏った拳で男を突いた。が、
「マジかーー……」
ーー結構な魔力を込めたっていうのに!
男の体は微動だにしない。
「……何かしたか?」
男の振り向き様の左のバックブロー。
レノはそれをのけ反って躱した。
しかし、男は流れるように右の拳を放つ。
レノは今度は魔法を使い、飛んでそれを躱した。
「ちょろちょろと鬱陶しいことだ」
「残念ながら、今のオレじゃああんたと殴り合いはできないんでな」
「軟弱者が……」
しかし男は吐き捨てるように言った後、笑った。
「しかしいつまでオレの攻撃を躱せる?お前の魔法は確かに厄介だが、その分相当に魔力を消耗するだろう?」
「そうだな……」
ーー確かに『白』も、『黒』ほどじゃないが魔力を食らう……それに、『白』じゃアイツに、決定的なダメージを与えられない……なら……
「ーー……使うしかないよな……『黒』、紫電」
新たに魔法を発動したレノ。その体は、紫色の雷撃を纏っていた。
ーー雷撃……?これは、さっきの小娘の……
『紫電』の超スピードを使い、レノが男を殴る。
レノの拳をくらった男は吹き飛んだ。
「お望み通り、ここからは拳で語ってやるよ」
一筋の血を垂らしながら、男が笑う。
「ーー……いいぞ。面白くなってきた!!」




