ケイとリビィエラ2
リビィエラが、険しい表情で続きを話す。
「幸せだったーー……アイツらが来るまでは……」
「アイツら……?」
「そう、ある小さな宗教組織、名前は……『光の手』、だったかな……」
「……そいつらが、どう……」
「そいつらはね、私のお母さんが紅の魔女の子孫だとどこかで知り、そしてその強大な力を欲したの……お母さんはもちろん、そんな宗教組織興味はなかったし、無理に迫って来ても跳ね除ける力はあった。でも、弱点もあったんだ……」
リビィエラの言葉が、そこで途切れる。
「弱点?」
ケイが訊くと、リビィエラと目が合った。
瞬間、その綺麗な紅い目が小さく揺れた気がした。
「それって……」
「そう。私だよ……ヤツらはあらかじめ私たちのことを調べてから来た……そしてお母さんに接触する前に私を捕まえたの……そして呪詛魔法を私にかけた……」
「呪詛魔法……?」
「名前の通り呪いの魔法だよ……それで私の命を握り、お母さんに言うことを聞かせようとした……そしてヤツらの思惑通り、私を握られたお母さんは、ヤツらの傀儡になって、言われるがまま、ヤツらの邪魔になる人間の暗殺をしたの」
「っ……」
「そしてボロボロになるまで戦わせられ、最後は『剣帝』に斬られて……」
「そ、んな……」
リビィエラの話を聞いて、ケイは胸が押しつぶされそうになった。
「最期にね、血に塗れたボロボロの姿で、お母さんが私に会いに来たの……そしてずっと開発してた解呪の魔法で私にかけられた呪詛魔法を解いてくれた……その後、ずっと私に謝って、お母さんは……」
リビィエラの目から、一筋の涙が溢れる。
リビィエラはそれをすぐに拭い、続きを話す。
「それから数年後、私は力をつけてその宗教組織を潰した……でも、その後知ったんだ、その組織が、裏で色々な魔法師や国の上層部とも繋がってたって……許せないよね……だから殺した……そしてーー……元は私たちを差別するようなこの国の人間が、私たちを追い詰めた!だから!私はこの国を潰すの」
涙を拭ってリビィエラの目には、憎悪と決意が込められていた。




