王女との交渉
深夜。レノは一人、王都の中心にある王城前に来ていた。
そして大きな溜め息を吐き、大きな城を見上げる。
「これからやることが王様にバレたらオレ、守護三家の一人とはいえ処刑じゃね……?」
そう思った。しかし。
ーーけどまぁ、あいつに頼まれたんじゃ、断れねぇよな。
笑い、レノは自身の魔法を発動、空中に数個の透明なキューブを出した。
そして跳び上がり、キューブを足場に空中を駆け上がる。
ーー確かここだったな。
そして一つのベランダに降り立った。
レノはベランダのドアを開け中に入った。
「誰だ」
すると、ベッドの中の人物が綺麗な金髪を揺らしながら起き上がる。
「こんな夜ふけに突然失礼いたします。リリアーナ王女」
そう、レノはリリアーナの寝所に侵入した。
レノの顔を見たリリアーナは安心した顔をする。
「なんだ、レノか。どこの不審者かと思ったぞ」
「ハハ」
笑うレノ。しかしそこにどこからか声がした。
「こんな時間に一人リリアーナ様の寝所に侵入するとは、ゼルファ家は余程礼儀がなっていないと見えるな」
そんな声とともにベッドの影から一人の少女が現れ、レノとリリアーナの間に入る。
「久しぶりだな。セーレ」
セーレ・クロフォルト、王女直属の護衛。
「リリアーナ様に何の用です?」
訊いておきながら、セーレはナイフを構えた。
それを見たリリアーナが叫ぶ。
「セーレ!何でナイフなんて構えるの!」
「リリアーナ様、こんな時間にリリアーナ様の寝所に侵入してくる時点でやましいことがあるに決まっています。処分致します」
「処分て……彼はあなたと同じ我が王家の守護三家ーー……」
「関係ありません」
セーレの言葉に、レノが溜め息を吐く。
「オレはただ王女に頼みごとをしに来ただけだぜ?」
「戯けたことを……ならば王の許可を取り堂々と王女に会いに来れば良いではないか」
「そうできない理由があるんだな、これが」
「話にならんな!」
話すのをやめ、セーレがレノに突っ込む。
「頑固者め……やっぱりこうなるか……」
セーレの素早いナイフ捌き。
しかしレノはそれを掠らせもせず躱していく。
「セーレ!やめなさい!」
リリアーナの制止を聞かず、セーレは攻撃をやめない。
レノが話す。
「なあ、やっぱり黙って話を聞いてくれる気はないか?」
「あるわけないだろう!この逆賊が!」
ナイフの攻撃は当たらないとセーレが魔法を発動しようとした時。
「ーーじゃあ、しゃーないな」
一瞬速く、レノが魔法を発動。
セーレをキューブの中に閉じ込める。
ーーこれは……
「ナメるな!この程度の結界ーー……」
セーレが魔法でそのキューブを破ろうとした時、
「ちょっと遅い」
レノが魔法を発動。セーレはそのキューブから消えた。
代わりにーーそのキューブの中には、ネイの姿があった。




