手がかり
「ケイ……ケイッ……」
両手を地に着き涙を流すレミア。
そんなレミアに、ネイが声をかける。
「取り返しましょう。彼を」
「取り返す……?どうやって……どこに行ったかも分からないのに……」
「……さっき彼女が使ったのは空間魔法の類いでしょう……もしかしたら異空間に消えたのかもしれません。私の知り合いに、空間魔法の使い手がいます。それもかなりのレベルの。もしかしたら彼なら、後を追えるかもしれません」
「本当に……?」
「100パーセント、とは言えませんが、腕は確かです。何もしないよりはいいです」
ーーケイーー……
涙を拭き、レミアが立ち上がる。そしてネイに頭を下げる。
「ありがとう。ネイ・ルーゲラー。よろしく頼むわ」
「頭を上げてください。あなたには身内が無礼をしました。それに、私も彼には助けてもらいましたから」
ネイは少し笑い、そしてすぐ真顔になる。
「今日は帰って休みましょう。そして明日、またここで」
「分かったわ」
明日またここで会う約束をして、二人は一旦別れた。
そして翌朝、二人は約束通り再会した。
「では向かいましょうか。案内します」
「ええ」
目的地までの道中、レミアが聞く。
「それであなたが心当たりがある空間魔法の使い手というのは……」
「レノ・ゼルファです」
「やっぱり」
「察しがついていましたか」
「ええ…かなりのレベルの空間魔法の使い手だと聞いていたから。でも意外だわ……ゼルファといえばルーゲラーと同じ守護三家……守護三家同士は仲が悪いと聞いていたから」
「まあ…そうですね……家同士は仲が良いとはいえません。どの家も我が家こそが一番王家に仕えるのに相応しいと張り合っていますから。ただ、彼とは小さな頃から付き合いがありまして、仲良くしていたんです、お互いーー家同士のしがらみなど関係ない、そう考えていたはずなんですが」
「はず?」
「私が父亡き後ルーゲラーの当主になった辺りから、彼は私と距離を置きはじめたんです……」
「あなたが当主になったから……?」
「おそらく……彼はそういうのは気にしないと思っていたんですが」
「………………」
「でも大丈夫です、彼は優しい。キチンと理由を説明すれば、力を貸してくれるはず」
そうして会話をしているうち、二人は王都のハズレにある小さなアパートの一室についた。
「ここ?」
レミアが聞く。
「ええ。彼はゼルファの家を出て一人でこの部屋に住んでいると聞きました。
ネイはそう言い部屋のドアを叩いた。




