深夜の森の攻防10
「ごめんね、ケイ。今は忙しいんだ、話ならーー……ううん、もう、ケイと話すことはないかな……今日でさよならだね」
ーー本当は、もっと君と……
寂しそうにそう言うリビィエラに、ケイは歯を食いしばる。
「忙しいって言うのは、これからネイ・ルーゲラーを殺すからってことか?」
「そうだよ」
躊躇いなく答えるリビィエラ。
「そんな話よりケイ、ケイはすぐにこの国を離れた方が良い……この国にはこれから荒れるから」
『そんな話より』そう聞いた瞬間、ケイは怒りに染まった。
怒りは魔力になり、溢れ出す。
「『そんな話より』……?ふざけるな……!!」
白く立ち昇るケイの魔力。
「何でだ……何でお前がこんな……こんはことを!!」
悲痛に叫ぶケイに、リビィエラは淡々と答える。
「ーーケイに話す必要はないよ……退いて、そして早くこの国を出て」
「断る!!」
「どうして……?」
「決まってるだろ!友達がこんなことをしていのを、止めるためだ!!」
「ーー友達か……嬉しいよ」
ーーこんな私を、君は友達だって言ってくれるんだね。
ーーでも。
「退いてくれないなら力づくになるよ」
「ーーああ。できるものならな」
「ーーバカ……」
顔を歪めーーリビィエラが加速。
ケイの顔面に拳を叩き込む。
ケイは避けられなかった。
しかし、吹き飛ばされもしていない。
お返し、とばかりに拳を返す、が、それはリビィエラの魔眼の力で止められた。
ケイの動きを止め、リビィエラがケイの脇腹に左足で蹴る。
「うぐッ…!」
力の籠った一撃に、今度はケイは吹き飛ばされる。
「これぐらいじゃまた立ち上がるよね」
ケイの動きを完全に封じるため、リビィエラは魔法を発動。
「『氷龍の冷砲』」
リビィエラの作り出した氷の龍が、ケイめがけ一直線に飛んで行く。
その魔法でケイは氷漬けになった。
「……さようなら、ケイ」
ケイを封じ、リビィエラはその場を立ち去ろうとした。が、
「リビィエラァアアアアアア!!」
ケイは強大な魔力で、氷を吹き飛ばした。
「……!!なんて魔力……!!」
ーー死なないように加減したとはいえ私の魔法を……この魔力量……私やレミアよりも……
「ーー絶対にーー……もうこれ以上お前に、人は殺させない!!」
決意を込めて、ケイが叫んだ。




