深夜の森の攻防4
ネイがいつの間に握った短剣を手に、仮面の女とぶつかり合う。
短剣と剣。そして魔力と魔力がぶつかり、斬り合いになる。
尋常じゃないスピードで動きながら斬り合う二人。
「素晴らしいスピードですね。あまりいないんですよ?私のスピードに付いてこれる方は」
ネイの使う『紫電』はルーゲラー家に代々伝わる血統魔法の一つ。
身体に纏った紫電がネイのスピードを上げ、そして放たれる雷撃は凄まじいパワーを持つ。
特にスピードに至っては、ネイに付いてこれるのはアルストロメリア王国でも『剣帝』だけだと言われていた。
ーーなのに。
にも関わらず、仮面の女はネイのスピードに付いてくる。
ーー加速魔法……?いえ、こんなスピードの加速魔法の使い手なんて見たことがーー……
仮面の女の剣技を巧みにナイフで受け、反撃もしながら、ネイは相手の魔法について分析していた、そんな時、
仮面の女の右眼が、怪しく光った。すると、
「ッ……!?」
一瞬、ネイの身体が動きを止めた。
ーーこれは……
その一瞬を、仮面の女は見逃さず、ネイに一太刀入れる。
「くぅ……」
胸を裂かれ、膝をつこうとするネイの首めがけ、仮面の女は剣を振る。
しかしそれが当たる前に、ネイは『紫電』をフルパワーで使い、後ろへ跳んだ。
「ハァ…ハァ……」
ーー今のは……?一瞬、動きがーー……
不可解な現象に混乱しながらも、ネイは持って来ていたポーションで回復しようとした。その時、
仮面の女がーー一瞬でネイの懐に潜り込んだ。
「ッツ……」
ーーさっきより速く……!?さっきまでのスピードが全開じゃ……
振りかぶられた仮面の女の剣。ネイはまた避けようとしたが、今度は間に合わず、短剣を持っていた右腕を斬られてしまった。
「っあ」
そして息つくヒマまなくーー仮面の女が突きを放つ。
その一撃は、ネイの心臓を狙った。




