ケイとレミア
「えっ、待ってOKなの?」
手を握りしめて訊くと、レミアは顔を赤くして、
「お、OKよ。よ、よろしくお願いします……」
照れるレミアに、ケイが「こちらこそ!」と言おうとした時、
「ん?何だ?」
遠くからこちらに近づく複数の足音が聴こえた。
「誰かがこっちに?」
そう零すケイに、レミアは険しい顔をした。
「こんな所にまで……まったく、今から大事な話をするというのに……」
「?どうしたんだ?レミア」
「ちょっとヤボ用ができたの……そうだ、貴方名前は?」
「あ、オレはケイ。アキハナケイだ。あっ、こっちだとケイ・アキハナかな」
「そう。じゃあケイ。私はちょっとヤボ用を片しに行くから、貴方はここでおとなしくしていてちょうだい」
そう言ってレミアは洞窟の先、近づいてくる足音の方へ歩き出した。
レミアが行ってしまってすぐケイは考える。
レミアは普通に行ってしまったが、行かせてよかったのか?と。
最初会った時の、傷だらけのレミアを思い出す。
もしもあの足音の正体が盗賊とかだったら?
それに、魔法なんてモノがある世界だ、もし魔物とかもいるかもしれない。
対し、レミアは可愛い女の子だ。
「よし!」
一応自分は治癒魔法とかいうのが使えるし、身体を張れば盾ぐらいにはなれるだろう。
何かの役には立てるはず。
そう思いケイはレミアを追った。