深夜の森の攻防
ケイとレミアが宿で話をしている頃、ルーゲラー家当主、ネイ・ルーゲラーは姉と兄を自室へと呼び出し正座させ、説教をしていた。
姉には今日のレミアに対する非礼、そして兄にはリビィエラに対する非礼。
長々と、本当に長々とお説教をした後、ネイは二人を部屋に帰した。
そして一人、イスに座りゆっくりしようとした時、
「……望まぬ来客…ですか……まったく、今日は忙しいですね」
ゆっくり立ち上がり、部屋から出たネイ。
すると、ネイお付きのメイドが歩いてきた。
「ネイ様。こんな夜更けに外出ですか?」
「ええ。まあ」
「お腹が空いたのなら、私たちが何か作りますよ?」
そんなことを言い出すメイド。
「んんっ、断じて買い食いに行くわけではありません……少し夜風に当たりに行くだけです……でも、そうですね、すぐに帰りますので、美味しいおやつを用意しておいてください……あなたたちの料理は絶品ですから」
「承知しました」
玄関へ歩くネイ。
そんなネイに、メイドが声をかける。
「……ネイ様。いらぬ心配りかと思いますが、お気をつけていってらっしゃいませ」
にこり、ネイが微笑む。
「ええ。いってきます」
家を出たネイは、家のすぐ近所にある森の奥へ来ていた。
そして、薄暗闇に声をかける。
「多分あなたのお望み通り一人で来ましたよ。姿を見せてはどうですか?」
ネイがそう言い、しばらくして、薄暗闇の奥から、一人の人間が出てきた。
背格好からして女ーー不気味な面を付け、そして長い銀髪を靡かせている。
「なるほど…あなたが噂の連続殺人犯ですか……」
ネイが視線を女の右手の剣へ落とす。
「それが殺した相手の魔力を奪うS級魔法具、略奪剣、『リージアス』ですか」
「………………」
女は何も言わない。
「今度は私の魔力を奪いに来たわけですねーーしかし」
ネイが体から魔力を溢れさせる。
「私はルーゲラー家当主、ネイ・ルーゲラー!簡単に倒せると思わないことです!」
ネイがそう言った直後、女が剣を構えた。




