リヴィエラ
紅い髪の少女に手を引かれ、ケイは王都のハズレにある屋敷に来た。
とても古いーーお世辞にも綺麗とは言えない屋敷。
「ここは……?」
「私の家。さ、入って」
少女に促され、ケイは中へ入った。
家の中は、外見とは違い、とても綺麗だった。
屋敷の中を歩き、少女はある部屋にケイを通す。
「そこのソファに座って待ってて」
言われた通りに待っていると、
「お待たせ」
少女はお茶を淹れてきてくれた。
そしてケイの対面のソファに腰を落とす。
「あっ。自己紹介がまだだよね。私はリヴィエラ。よろしくね」
可愛らしく笑う少女、リヴィエラ。
その笑顔が明るかったからこそ、ケイは、
「何で、何でそんなに明るくして……」
震えるケイに、リヴィエラが問う。
「どうしたの?」
「だっておかしいだろ……!『紅の魔女』とやらが何なのかは知らないけど、そいつの血を引いてるってだけで、何でリヴィエラが……」
それを聞いたリヴィエラが、優しく微笑む。
「優しいんだね、君は……他人のために怒れる」
「オレは……」
「『紅の魔女』はね、昔ーー数百年前この大陸中で暴れ回った史上最悪の魔女。誰も、人も魔物も手を付けられず、今もこの大陸のいたる所に『紅の魔女』が付けた傷がある……だから、その血を引く私は恐れられ、忌み嫌われる」
とても悲しい顔で語るリヴィエラ。
「でも、それはその『紅の魔女』ってやつのせいで、リヴィエラには……」
「関係ない……って、私も言いたいけど、恐怖は語り継がれるみたい……私の髪と眼、紅いでしょ?先祖代々こうなの『紅の魔女』と一緒なんだって。参るよね、染めても魔法を使っても、数分で元に戻るの……呪いみたい」
苦笑いするリヴィエラ。
ケイはリヴィエラの目を真っ直ぐ見て、言う。
「綺麗だよ。その眼も、髪も。オレには綺麗……そういう風にしか映らない」
本心だった。
だからそのまま言葉に出した。
「ありがとう」
笑うリヴィエラ。
今度は可愛いらしい笑顔で。
「……この国はね、他の国に比べて魔女に対する差別が少ないの……だからさっきみたいなのも少ないんだ。今日は運がなかった……って言いたいけど、そんなこともなかったかな」
「ん?何か良いことあったんだ?それは良かった」
笑うケイに、リヴィエラは思う。
ーーうん。君に会えたから。
「そういえば、まだ君の名前を聞いてない」
「あっ、そうだな。オレはケイ。ケイ・アキハナだ。よろしく」
「うんケイ。私ね、大体いつも家に居て暇なんだ。だからたまに遊びに来てくれない?」
「ああ!もちろん!」
「ありがとう」
それからしばらく、二人は談笑を続けた。




