紅い髪の少女
王都へ帰った二人はギルドへクエスト達成を伝え、報酬を受け取った。
そしてギルドを出た二人。そこでレミアがケイを見る。
「ケイ。私は今から少しヤボ用があるから、先に帰っていてくれる?」
「ん?ああ。分かった」
「ありがとう。じゃあこれ」
と、レミアが先程受け取った報酬をケイに渡す。
「え?これは」
「さっきの報酬。ゴブリンのボスを倒したのはケイだもの。受け取って」
「いや、結果的にはそうだけど、それは他にたくさんいたゴブリンをレミアが倒して、ボスを追い詰めたからでーー……」
「いいの。ほら、私多分帰りは遅くなるし、これでご飯を……それについでに王都を見て回ってみて、きっと面白いと思うわ。じゃあ」
「!レミア……」
口早くに言い、お金を渡して、レミアは去って行った。
ケイが寂しそうな顔をする。
ーーレミア。オレは王都を見て回るならきみとが良いし、ご飯だってきみと食べたい……
そう、口に出して言いたかったことを飲み込み、ケイはポツポツ歩き出した。
「ーーへぇ。流石王都、今まであんまり気にしてなかったけど、やっぱり広いな……」
レミアに言われた通り、ケイは王都を散策していた。
歩きながら、途中の店で買った食べ物を食べる。
「……美味い」
たまたま買った品だったが、ケイの予想より美味しかった。
ーー今度はレミアと買いにこよう。
そう思い、しばらく歩いていると、
「ッ……」
デカい音とともに、一人の女がズザッとケイの前に倒れてきた。
紅い髪に、紅い瞳をした、とても可憐な少女。
歳はケイやレミアと近い感じだ。
「大丈夫!?」
倒れた彼女の元へケイは急いで駆け寄り、傷を癒す。
ケイが傷を癒すと、少女はとても驚いた顔をした。
「……どうして……」
「?どうして…って、怪我をしているんだから手当するのは当然だろ、他に怪我は?」
ケイが他に怪我がないか訊くと、前方から声がした。
「おいおい、お前、『紅の魔女』の子を庇うのか?」
そこに立っていたのは、紫色の髪をした、心底不快そうにする男。
ーー魔女ーー……
「怪我をしているのに、魔女かどうかなんて関係ない、それより、お前だろ、この子を傷付けたのは」
怒りを見せるケイ。
男はいやらしく笑う。
「だったら何だ、その女は、魔女の子の身分でこの守護三家の一族、ゲウ・ルーゲラーにぶつかってきたんだ、当然だろ」
「ぶつかった……だけ?それだけでこの子を吹き飛ばしたのか……!?」
「それだけだと?ああ、そうだな、一般市民ならもちろんオレもそんなマネしない。だが、魔女の子風情がこのオレにぶつかったんだ。当然のことだ」
ケイの脳裏に、レミアが浮かぶ。
「……魔女、魔女、魔女……魔女であることがそんなに悪なのか!?」
ケイの質問に、ルーゲラー真顔で答える。
「悪だ。特に『紅の魔女』の血を引く者など、この国に居ることすら不快だ。フッ。そうだな。この機会に、この国から追い出してやるか」
そうニヤニヤと言い放ったルーゲラーに、ケイは駆け出し拳を振り上げた。
「テメェ……!」
「バカめ」
しかし、ケイの拳は躱されてしまう。
「貴様、この守護三家のルーゲラーに手を上げるか!」
「関係あるか!」
追撃に出るケイ。
魔力による身体能力の強化で退がるルーゲラーを追い詰める。
そして間合いに入り、拳を当てられると確信した時ーー
「……!?」
ケイ眼前に突然水の壁が現れケイは足を止めた。
水の壁が消えると、ルーゲラーかなり離れた場所に立っていた。
「バカが、このゲウ・ルーゲラー逆らったことを後悔させてやる!」
「するかよ!」
ーーぜってー殴る。
ケイが全身から魔力を溢れさせた。




