新たなクエスト
朝、目を覚ましたケイとレミアは、朝食を食べ終えた後、ギルドへ向かった。
「レミア、今日はどんなクエストを受けるんだ?」
ケイの質問に、レミアはクエストの貼ってある掲示板を眺めながら、
「……そうね……ああ、これにしましょう」
そう、レミアは一枚のクエスト用紙を剥がした。
「それは?」
「ゴブリン退治のクエスト……どうやら山に住み着いたゴブリンが、そこを拠点に山の付近にある村を襲っているらしいわ……」
「ゴブリンか……」
「ええ。でも油断はできないわ。確かに奴らは体は小さい……けれど数が多いし魔法を使う奴もいる……そして何より奴らは頭がキレるわ」
「ああ。大丈夫。油断はしない。奴らは危険だからな」
うんうんと頷くケイ。
「あらケイ。ゴブリンを知っているのね」
「ああ。まぁ……」
ーー漫画やアニメで。
「でも危険性が分かっているのなら良いわ。さっ、クエストを受けましょう」
「おはようございます。お二人とも。受けるクエストはお決まりですか?」
受付にやって来た二人を見て受付嬢ーールルナが笑顔を見せる。
「ええ。これにするわ」
レミアがルルナにクエスト用紙を渡す。
「……ゴブリン退治ですか……このランクにしては危険が大きいですが、よろしいのですか?」
「ええ。大丈夫」
「了解致しました……ああ、でもクエストの現場は王都外……この距離だと泊まりのクエストになっちゃいますね……」
「泊まり……それも悪くないわね……夜は外で二人、星空を眺めたりしちゃって……」
「はい?」
急に変なことを言い出すレミアに、怪訝な表情を浮かべるルルナ。
「い、いえ、何でもないわ。ああ、それとこのクエスト、今日中には終わらせるから」
「え?でも……」
「お任せなさい。ケイ、行きましょう」
ルルナに任せろと言い残し、二人はギルドを出た。
ギルドを出てすぐ、ケイが口を開く。
「あの、レミアさん、現場はすごく遠いらしいけど、まさか……」
「ええ。そのまさかよ」
レミアがケイを、お姫様抱っこで持ち上げる。
ーーやっぱりかーー!
両手で顔を覆うケイに、レミアが尋ねる。
「ケイ、そんなに私に抱っこされるの、嫌?」
「嫌……ではないけど恥ずかしいかな……それに、やっぱりこれは、オレがやりたい」
そう顔を赤くするケイに、レミアは小さく笑う。
そしてすぐその後、顔を赤くし、
「じゃ、ケイにもしてもらうわ。私の希望は、その、お姫様抱っこで夕焼けの浜辺を歩いてもらう……とかだけど……」
「ああ!任せろ!」
元気に答えるケイに、レミアはケイを抱く腕に少し力を入れた。
ーーケイ、すぐに二人で安心できる暮らしができるようにしてみせるから!
レミアは心の中でそう誓い、二人は新たなクエストへ向かった。




