異世界転移
「……へぇ。異世界転移するってこんな感じかぁ……」
近い将来、異世界転移モノのラノベを書く時、この体験、いや、これは夢だろうから夢は役に立つだろう。そう思った。
ーーそう、これは夢、夢だ。
良い夢を見た。でももう十分だ、起きるとしよう。
「覚めろ、夢!」
言葉にして、ケイは自分に言い聞かせる。
しかし、目の前の光景は変わらない。
「…………………」
ーーまさかーー本当に異世界に……?いやまさかそんなことーー……そんなこと実際に起きるわけが……
そう思い、自分の頬をつねる。
しかし、目の前の光景は相変わらず変わらない。
「……夢じゃない……だと……!?」
色んなことが頭を駆け巡る。
「よし分かった、落ち着け、一旦落ち着こう」
とりあえず今はこの現実を受け止める。
そして考える。これからどうするのか。
そう、来た以上、帰る方法もあるはずだ。
異世界に興味がないわけじゃないが、ケイは元の世界に帰る。そのためにはーー
「よし!とりあえず歩くか」
ここがどこか分からないが、いつまでもこんな何も無い所には居られない。
そう考えたケイは、とりあえず洞窟内を進み出した。
「ん?」
そうしてしばらく進むと、少し前に灯りが見えた。
「……………」
少し警戒しながらも、ケイはそこに近付く。すると、
「……もしかして、貴方が私の呼び声に応えてくれた人かしら」
そこには、それはそれは顔立ちの整った美少女が一人居た。