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宿屋
「今日はここに泊まりましょう」
と、ケイはレミアに連れられ宿屋の前に来た。
レミアに続き、ケイも中へ入る。
「いらっしゃい」
入ってすぐ、店の主人が二人に声をかけた。
「二人、食事付きで泊まりたいのだけどいいかしら?」
「ああ。ふた部屋かい?」
「いえ、一部屋でいいわ」
「そうかい。一部屋二人分の朝晩食事付きで金貨一枚だよ」
「ええ」
レミアが金貨を渡すと、代わりに主人が部屋の鍵を渡した。
「部屋は201だ…それと、あまり変なコトはしなさんなよ?」
ニヤっと笑った主人に、レミアがフードの中から冷たい視線を向ける。
「下世話ね……」
それだけ言い残し、レミアは飄々と階段を昇る。
しかし、そんな外側とは違い、内心は、
ーーへへへ変なこと!?そそそんなのするわけないじゃない!確かにケイのことは好きだけれど、そういうのはもっとお互いをよく知ってからーー
「レミア?どうかしたのか?」
指定された部屋の前で立ち止まるレミアに、ケイが声をかける。
「ひぇ!何でもないわ!」
あたふたと、顔を真っ赤にして、レミアはケイと共に部屋に入った。




