王都へ
「それで、ここからどうするんだ?」
手を繋ぎ、歩く二人。
ケイがレミアに訊いた。
「まずはこの国の王都に向かうわ」
「王都?」
「ええ。そこで冒険者登録をしましょう」
「冒険者……」
「ええ。冒険者になれば情報も集められるし、クエストをこなせばお金も手に入る……一石二鳥よ」
ーーさすが異世界。
「あ、そういえば魔法は見た……というか使ったけどさ、やっぱり魔物とか、そういうのもいるの?」
気になったことを、ケイが訊く。
「ええ。スライム、ゴブリン、オーガ……最上位種にはドラゴンなんていうのもいるわね」
「へぇ。やっぱりいるんだ」
「そこかしこにね……というかケイ、見たことないの?」
「ん……ああ、実はレミア……」
迷いはしたが、ケイはここでレミアに自分は異世界から来たことを打ち明けることにした。
「異世界……違う世界から……?」
「ああ」
「そんな……」
ケイが異世界から来たことにショックを受けるレミア。
「どうした?レミア」
「だって、あなたには違う世界で、違う暮らしがあったんでしょう?この世界なら、私はあなたを元の居場所に送れたけれど、まさか異世界から呼んだなんて、私は……」
俯くレミアの両手を、ケイも両手で握る。
「レミア、そんなに気にしないでくれ、確かに元の世界には元の世界の暮らしがあった。好きなものとかもあった。でも」
ケイは真っ直ぐ、レミアの瞳を見る。
「でもオレは、レミアに呼ばれてこの世界に来れて、レミアに出会えて、すっげー幸せだ。だって、レミアに会えたんだから」
そう、レミアに微笑む。
「ケイ……」
「これが嘘偽りのない。オレの本音。だからレミア。もう気にしないでくれ」
ケイの目を見て、レミアはそれが本音だと分かった。
「分かったわ。ケイ」
頷くレミアに、ケイは笑顔を見せた。
「魔物の討伐、か……」
王都までの道すがら、ケイは冒険者の仕事について訊いていた。
「そうなの……冒険者の仕事はたいてい、そういった魔物の討伐依頼よ。大丈夫。たいていは私にとって軽い仕事だから、任せておいて」
そう言って笑うレミア。
しかしケイは複雑な心境だった。
運動神経は微妙、それに魔法は回復魔法だけのケイは、とても魔物の討伐なんてもので活躍できるとは思えなかった。
ーー全部レミアに任せきりだなんて、そんなのダメだ!
ーーなんとか、なんとかオレも頑張らないと!
「……………」
「ケイ?どうかした?」
難しい顔をするケイを、レミアが覗きこむ。
「あ、いや、王都まであとどれぐらいかなって」
「ああ…そうね、あと二日ぐらいかしら……」
「あー……二日?」
「ええ。だから本当はあなたを抱えてダッシュで向かってもいいんだけれど、それだと目立つし、それにまだ手を繋いでいたいから……」
そう言って顔を赤らめるレミア。
「レミア……」
ーー絶対!絶対にオレもレミアの役に立ってみせる!
可愛いレミアを見て、ケイはそう誓った。




