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第8話 緊急クエスト


 B級に昇格した【ラッキークローバー】。

 「俺たちは今勢いに乗っている。ここで満足せずに次はA級クラスになるつもりでクエストをこなしていこう」


 「隊長、気合い入ってるぜ。おい、レイモンドとアキラ。俺たちで隊長を男にしてやろう」


 クエストボードを確認。

 C級とB級ではさすがにクエストの難易度にかなり差が出てくる。

 「ん?」隊長が何かを発見。


  緊急クエスト 参加資格B級以上の冒険者またはパーティ

 《ユウヤケの丘にてミノタウロスが大量繁殖中

  近頃、近隣の村にて被害拡大

  ミノタウロスの10頭以上の討伐  (報酬12000G)》


 緊急クエストはクエストボードに稀に貼り出されていることがある。通常のクエストは白い紙に対して、緊急クエストの場合は目立つように赤色の紙を使用している。

 報酬額も緊急になると表示されている額の倍、支払われることになる。しかしそれだけに、危険性や難易度は通常のものと比べるとかなり増すことになる。

 さらに、極めて稀に青色の紙の特別緊急クエストも存在するらしい。赤は任意に対して、青はある条件下で強制的に受けなければならない。


 「これにするか」ガイルは意を決して緊急クエストの用紙を剥がした。


 「おいおい、お前らレベルでそのクエストを受けて本当に大丈夫なのか?」


 【永遠の満足エタニティサティスファクション】のリーダーのヨハン、及びパーティメンバーが腕組みしていた。

 「なんだぁお前ら!事と次第によっちゃあ、ただじゃ済まさないぞ」とモーリスが激怒する。


 「待てモーリス。A級パーティのヨハンだな。訳を聞こうじゃないか」


 「誤解を与えてしまったのならまずは謝ろう。このクエストがなぜ緊急に指定されているかわかるか?」


 ヨハンは語りだす。このクエストは以前、別のA級パーティがクエストのリタイアを余儀なくされ帰還したこと。そして、さらに当時のクエスト時より危険性が増している可能性があること。

 

 「俺たちもこのクエストを受注しようと目をつけていた。敵もかなりの多人数。そこで提案がある。このクエストにおいて、【永遠の満足エタニティサティスファクション】と【ラッキークローバー】でレイドクエストとして受注しないか?」


 「隊長!こんな胡散臭いやつらに耳を貸すことないぜ。それにレイドとなると報酬も山分けになっちまう。せっかくの緊急クエストとしての旨味も消えちまうぞ」


 モーリスがもっともらしいことを言う。

 しかし、ヨハンも引くつもりは更々ない。


 「その心配は無用だ。俺たちはギルドに顔が利く。このクエストに限ってはレイドに関わらず報酬は満額受けとれるように話は通してある。どうだ、お前らにとっても悪い話じゃないだろ?」


 「……」

 ガイルは渋そうな顔で頭をかき、ヨハンに握手を求めた。


 「賢明な判断だ。受付はこちらで済ませておく。【ラッキークローバー】組は準備でも始めてくれ。1時間後に再びここで落ち合おう」


 話がまとまるや否や各々クエストの準備に取り掛かる。


 

 「ヨハン、あんなこと言っちゃって良かったの?うちらとしては大損なんだけど」

 「構わん、はした金だ。それよりもこのクエストでハッキリするだろう。奴が俺たちの仲間に相応しいかどうかがな」





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