表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/31

第7話 勧誘

 「アキラ、俺たちは先に飲んどくぞ」

 気を利かせてくれたのか、隊長達はその場から少し離れたテーブルに腰掛けた。


 「久し…ぶりだね」

 アキラは照れくさそうに話す。

 「……最初は誰だか気づかなかった……。お前、ほんとは女だったのか!?…。少し飲まないか?……積もる話もあるだろう……」


 「おい誰だバルボッサ。この可愛い女は!?バルボッサ、案外お前も隅に置けないやつだな」

 アレクがタイミング良くトイレから帰ってきた。

 

 「……バカ。よく見ろ。……お前もよく知っているやつだ……」

 

 「は?ちょっと頭が追いつかねー。こんな美少女、見たことも聞いたこともねーぞ」


 アキラは追放された直後、魔女に女にされてしまったこと。そして、今は【ラッキークローバー】の一員として冒険者を続けていたこと。それで今日はB級昇格の打ち上げで酒場に来ていたことを話した。


 「そういえば、キッドマンが見あたらないな」

 

 「あいつとは今、ぎくしゃくしてるんだよ。いつもパルルパルル〜って……だから今日は2人で飲んでんだ。てかアキラ、めっちゃ胸デカイじゃん」


 「はぁー……どこ見てんだよ……」 

 思わず溜め息がでるアキラ。


 アレクとバルボッサはアキラが抜けた後のことを話した。

 冒険者を1人増やしてみたものの、クエストがあまりうまくこなせていないこと。アレクがクエストで怪我をおってしまったこと。

 さらに、A級クラスからB級クラスに降格していたことを。

 

 ランクには昇格することもあれば、降格することもある。A級クラスは60日間で1度でもA級クエストをクリアしていると降格することはない。だがしかし、逆に60日間で1度もA級クエストをクリアしていないと降格してしまう。

 つまりは、そういうことだ。


 「そうだったのか…。なかなか苦労しているんだな」

 

 「アキラ、俺たちお前が居なくなって初めてお前の存在の大切さに気づいたよ。お前さえ良ければ、また【結合する絆(ユニティーフォース)】に帰ってこないか?キッドマンとパルルには俺から上手く話すからさ」


 「……すまない。そう言ってもらえるのは嬉しい。でも今は俺、いや私は【ラッキークローバー】を気にいってるんだ」


 「……そうだよな。だがもし、気が向いたらいつでも言ってくれ。お前が抜けてからすべてが悪い方に流れているような気がするんだ……ていうかお前、俺らと離れてから可愛くなりすぎだろ。おまけに巨乳だしよー。ちくしょめー」


 胸部を抑えるアキラ。


 「確かにね。ずいぶんと見た目は変わってしまったかも」


 

 「おやおや!?これはこれは最近A級からB級に降格なさった【結合する絆(ユニティーフォース)】さんではありませんか」


 「っチ。相変わらず嫌味な野郎だな、ヨハン」

 

 A級パーティ【永遠の満足エタニティサティスファクション】のリーダーヨハン。

 どうやら、俺たちの姿が見えて挨拶に来たらしい。


 「アレク、お前には失望したよ。同じA級どうし良いライバル関係にあると思ってたのに。残念他ならない」


 「お前、絶対思ってなかっただろ」


 ヨハンはアキラのほうに目を向けた。


 「最近、乗りに乗っている【ラッキークローバー】のアキラだな。お前らの噂は最近ギルド内でも話題になっている。まずはB級昇格おめでとう」


 「……何しにわざわざ来たんだ?……冷やかしでもあるまいし……」と バルボッサがヨハンに問いかける。


 「久しぶりだなバルボッサ。だが今日はお前らに用はない。単刀直入に言おうアキラ。俺たちのパーティに入らないか?見てくれは問題ないし今回の【ラッキークローバー】の昇格もお前がかんでんだろ?そんなパーティに埋もれてるより、俺たちと一緒に高みを目指そうじゃないか」


 「フフっ。困ったな……買い被りすぎだよ」


 「……まあ良い。今日は挨拶に来ただけだ。今日のところはこれで失礼するよ」

 ヨハンは颯爽と去っていった。


 「私もそろそろ戻らないとガイルに怒られちゃうから」

 アキラもガイル達のいるテーブルに向かうことにした。

 最後まで読んでいただきありがとうございます。

少しでも面白い、続きが気になると感じられたら

ブックマークよろしくお願いします。


 下の好評価で作品の応援をしてもらえると

大変嬉しく思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ