第6話 昇格クエスト
アキラが【ラッキークローバー】に加入し、早2ヶ月。
アキラが加入してからは飛ぶ鳥を落とす勢いでクエストをこなしていった。
ついにはBランク昇格クエスト《ゴゴゴゴーレム 1体の討伐》の真っ只中だった。
「俺たちも遂にB級に挑む日がくるとはな」
「おいおい浮かれるにはまだ早いぞ。ゴゴゴゴーレムを倒した後、祝杯といこう」
「いいね~隊長〜。今日はみんなで派手にパーっとやろう。アキラ、ところで今日の昼飯はなんだ?」
すでにアキラの手料理は【ラッキークローバー】のルーティーンとなっていた。
昇格を祈願してオーク肉をふんだんに使ったカツ丼を振る舞う。
「うめえええぇぇー」
「これだよこれ。力がみなぎってきた」
「お前ら。腹も満たされたし、今日もやれるよな!?」
「おおぉぉぉお!!!」
ゴゴゴゴーレムが出没されると言われている〈キリコバの岩山〉に到着していた。
ゴーレムは攻撃力が高く暴れだすと手がつけられない。
大きな岩も平気で投げてくる危険な魔物。
今回はガイル、モーリス、レイモンドで敵を引き付けて隙が生まれたところにアキラが爆弾を仕掛ける作戦だ。
「いくぞお前らぁぁぁああ!!」
ガイルの合図で作戦を実行。鶴翼の陣を形成。
左にモーリス、右にレイモンド、真ん中にガイル。ゴーレムを囲い込むように連携する。
レイモンドとモーリスがそれぞれゴーレムの足に攻撃を仕掛ける。
「おらっ!おらっ!」
「これでもくらいやがれ!」
大ハンマーとパワーアックスで殴る殴る殴る。
かなり効いてるのか、明らかに嫌がっている様子。ゴーレムは腕でレイモンドとモーリスを払いのけようと反撃。
攻撃範囲を見切り、後方に避けて回避する。
「隊長、今だ!」
「ああ!言われなくてもそのつもりだ!
絶技……超絶居合い真剣無双切り!!」
隊長の大技がゴーレムに炸裂。あの巨大なゴーレムが技の威力に大きく仰け反った。
辺り一面が砂埃に包まれた。
「アキラ、いまだ。手筈通りたのむ」
アキラはゴーレムが倒れ込んでる隙に、爆弾を辺り一面に敷き詰めていく。
爆弾をすべて置き終わると隊長達のいるところに合流。
「お前ら、伏せていろよ」
隊長は拳サイズの石に雷管を張り付けたものを爆弾目掛けて投げ込む。
「ボコンンンンンンンン!!!」
大きな爆発。
さすがにあのゴーレムもひとたまりもないだろう。全員でゴーレムの確認を行う。すると、バラバラになったゴーレムの素材が辺り一面に散乱している。
ゴーレムの素材は防具や武器の加工としてよく使われる為、アキラがくまなく回収した。
「こんなにあっさりクエスト成功したけどいいのかな」とレイモンドが隊長に問う。
「俺たちが長らくC級にとどまっていたのが嘘みたいだな。だがこれで俺たちもB級の仲間入りだ!胸を張って帰還しようじゃないか」
「隊長~、今日はパーっと飲むとしようぜ」
「アキラ、何してる!?早くしねーと置いてくぞ」
「ちょ、ちょっと待ってよ~」
ギルドに帰還しクエスト成功の報告。
「おめでとうございます。見事、クエストに成功されましたので【ラッキークローバー】さんはB級クラスに昇格です」
「よっしゃー!!」
ギルド嬢からクエストの報酬を受けとる隊長。
そのままギルド内の酒場へと向かう。
「アキラ、さっきの報酬だ。これを今日の酒代に充ててくれ」
「OK~!」
「……お前、あのアキラか……??」
そこには【結合する絆】のバルボッサがいた。
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