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第30話 報酬

 ギルドに帰還するともれなく全員に高級回復薬のエリクサーが支給された。


 「皆様全員の帰還と魔物の討伐、誠にありがとうございます。魔物の方は当ギルドで管理をさせて頂きます」


 代表してラザフォードがギルドマスターのリチャードから討伐報酬と魔物の引き渡し料を合わせて2.000.000Gを受けとった。

 この瞬間(とき)ばかりは、クエストに参加していた冒険者全員が笑顔になっていた。


 「ね〜ね〜。ルーナ思ったんだけど全然役に立たなかったアレクとバルボッサには渡さなくてもよくね!?」


 バルボッサは黙って目を合わそうとはしない。アレクはルーナに詰め寄って体を揺さぶっていた。


 「ルーナちゃん、それはあんまりだぜ。俺たちも途中までは頑張ってたんだ」


 「ちょっとヤダ〜。今、私のおっぱい触ったでしょ!?この変態!」


 「はぁ〜!?触ってね〜し。どうせ触るならお前のよりアキラのデカ乳揉むわ」


 最低という冷たい視線が女性陣から注がれる。男性陣からは笑いが起こっていた。ルーナは虫けらを見るような目でアレクを睨む。


 「マジ、ありえないんだけど。助けて〜ヨハン様〜」


 「どさくさに紛れて何くっついてんのさ」


 ヨハンに抱きつくルーナを頑張って引き剥がそうとするが全然動かない。


 ゴホンとリチャードが咳払いをする。


 「ちょっといいですかな。今回のクエストの成功を祝して10日後にギルド主催で祝勝会を開こうと考えております。是非とも皆様には参加していただきたい」


 この場にいた全員が快く祝勝会の参加を表明。結局報酬は全員で均等に分かられることになり、解散することとなった。



 

 1日ぶりに【満足な家(サティスハウス)】に帰ってきた4人。ずいぶん昔のことのように感じていた。


 「いや〜一時はどうなるかと思ったがなんとかなって良かったな」


 「ほんとよね。私は死を覚悟していたわ」


 ボルグとエリシアは笑い話のように語る。だが、ヨハンとアキラが会話に入ってこないことにボルグは違和感を覚える。


 「おいおい、お前らどうしたんだ!?さっきからダンマリしちゃってさ〜。喧嘩でもしたのか?」


 ヨハンとアキラの視線がぶつかったとたん、お互い目を逸らす。


 「な〜んか怪しいわね、あの2人」


 エリシアは目を細めてよからぬことを考える。ヨハンは嫌な気配を察知したのか話題をそらす。


 「明日はみんなで服を買いにいかないか?俺たち、祝勝会で着ていけるような服をほとんど持っていなかったしな」


 「う、うん。良いんじゃないかなー。私もヨハンの意見に賛成するよ」


 「なんだよ、全然喧嘩なんかしてねーじゃねーの」


 「俺たちは至って普通だ。お前たちが勝手な想像をしてるだけだ」


 みなクエストで心身共に疲れていたのだろう。顔には出さないがいつもよりかなり早く眠りについた。

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