第21話 加工屋
加工屋を訪れるヨハンとアキラ。
「やあヨハン、よく来たね。そっちの子は彼女かい?」
「まあそんなところだ」
「何言ってんのさ。初めまして【永遠の満足】のアキラです」
アキラはさっそくヘルドラゴンを職人に見せる。
「こいつは凄いな。久しぶりにこんな上物を見た」
「それはそうといくらで買い取ってもらえるだろうか?」
「そうだな……。95000Gってところかな」
ヨハンは険しい顔をしアキラの肩に手を添える。
「その素材でこいつに包丁を加工してもらえないだろうか」
職人は腕を組んで素材を睨みつける。
「これだけの素材があればかなり良いものができるだろう。だが加工代金はもちろんだが、鉤爪、龍の牙、鱗の素材が必要となる分、買い取り金額は33000Gほどになるが構わないかい?」
アキラはヨハンの腕を揺さぶる。
「そんなのダメだよ。みんなで頑張って手に入れた素材だよ」
「いいさ、みんなで決めたことなんだ。それにリチャードさんから頂いたお金もある。アキラは何も心配するな」
10本ほど樽の中にロングソードが無造作に入れられているコーナーがあった。
特価品・・・・クロムソード 1本3000Gと書いてあった。
ヨハンはその中から1本取り出す。
「今日はこれだけ貰っていく。また加工品と残りの30000Gは後日取りにくる」
「わかった。10日ほどあれば完成している。また寄ってくれ」
ヨハンとアキラは加工屋を後にして【満足な家】へ向かった。
ハウスの大きな門を開けて中に入ろうとするアキラ。
「待て、アキラ。……何か妙だ。静すぎる」
「何言ってんの!?いつもの家だよ。早く入ろうよ」
ヨハンはなぜかめちゃくちゃ警戒し、常にロングソードに手を添える。
「そんなに心配なら先に入ってよ」
恐る恐るリビングのドアノブに手をかけてドアを開ける。
「パンっパンっ」
クラッカーがわれる音がした。
「やっと帰ってきたな。待ちくたびれたぜ」
「ヨハン、あんた今日誕生日でしょ!?あなたのことだからどうせ忘れてたんでしょ」
テーブルにはご馳走、ケーキや酒が並べられていてなぜかエミリーもそこにいた。
どうやら誕生日の祝いとS級昇格祝いを兼ねて、サプライズを企てていたようだ。
「なんだよみんな、驚かせやがって。だが、ありがとうな」
いくつになっても祝ってもらえれば嬉しいものだなと実感。
「ヨハンさんお誕生日おめでとうございます!」
「なんでここにエミリーがいるのさ」
「そりゃヨハンさんの誕生日なんですから、私が来ない訳ないじゃないですか」
「エミリーも手伝ってくれたのか?ありがとうな」
その夜は時間がたつのを忘れ、みんなで夜通し飲み明かした。当然のように全員二日酔いになってしまった。
おまけに外は大雨が降っていて、まるで嵐のようになっていた。
「……私、今日、ギルド休みます……。すみませんが、アキラさん部屋貸して下さい……」
「えーーっ!!なんてね、昨日は祝ってくれてありがとうね」
アキラとエミリーとの間に絆が生まれた瞬間だった。




