第2話 歓迎されるアキラちゃん
(本当に女になったんだな俺は)
おそらく、森の奥で出会った魔女に何かされたに違いない。
1日経ってもいまだに信じられない自分がいた。
だがそれも、徐々に慣れいくしかないだろう。
Cランク冒険者【トライクローバー】のメンバーの人たちと冒険者ギルドに訪れていた。
「改めて自己紹介するぜ。俺がこのパーティの隊長ガイルだ。こっちがモーリス。そっちはレイモンドだ。」
「よろしく」
「よろしくな」
「ふつつか者ですがよろしくお願いします!」
アキラは今は女だが、男だった頃の自分を彼らはまだ知らない。知らないなら、最初から女だったことにしよう。男だった自分に失望されるのが怖い。言葉使いには気を付けることにした。
アキラを正式にパーティのメンバーに加入する為に受付で申請の手続きをおこなう。
「てかさ、これから4人になるんだから、この際【トライクローバー】って名前も変えないか?」
「それいいな。何て名前がいいかな隊長」
「そうだなー………。【ラッキークローバー】とかはどうだろうか」
「いいな!それ」
「超良いじゃん!」
「決まりだな」
アキラ加入に伴い【トライクローバー】は
【ラッキークローバー】となった。
リーダーがクエストボートを確認する。
「今あるCランクのクエストはっと……」
《最近村の近くにゴブリンが住みつき村に被害が
出始めている ゴブリン10匹討伐 (報酬8000G)》
《池の清掃及びポイズンフィッシュ10匹討伐
(報酬4800G)》
《商人の荷台及び護衛 (報酬6000G)》
クエストボートに数多のクエストが張り出されている。
「ん~……ゴブリンだな」
ガイルは少し悩みながらも、クエスト用紙をぴゃっと引きはがして受付嬢に手渡す。
ゴブリンの素材はそこまで旨くはないが、報酬がそこそこ良かったのが決め手になった。
「早速クエストの準備に取り掛かろう」
みんながせっせと慣れた手つきで荷物をまとめる。
武器に防具。さらにはみんな荷物が入っているリュックがパンパンになっていた。
「あの、私荷物運びますよ」とアキラが提案。
「アキラちゃんには重たすぎて持てないよ。気持ちだけでいいから」とモーリスが笑いながら拒否。
「いえ、〈空間収納〉もちなんで。なんでも運びますよ」
一同、え??と言わんばかりに硬直。
「嘘だろ。あのAランクとかSランク冒険者のパーティが使ってる便利なやつだろ!?」
「やったぜ〜。俺、手〜ぶら♪」
「お前ら浮かれるのもいいが、あまりアキラに無理させるなよ」
喜んで貰えて何よりだが、そこまで感激されるほどのスキルだとは正直思ってもなかった。
ポーションに砥石。ドリンクに食べ物。キャンプ用品などアキラが〈空間収納〉ですべて収納。
「必要なものはだいたいそんなもんか。それじゃあ新生【ラッキークローバー】の出陣だー!」
メンバー一同「おーーーー!!!」
クエストに出発した。
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