第13話 秘めらたスキル
クエストから帰還し受付嬢に報告しにいく。
普段は隊長であるガイルと素材の報告をする為にアキラと2人で受付をしている。
「すまない、レイモンド。今日は気分がすぐれないから俺の代わりにアキラと受付を済ませてくれないか…」あれから全然元気がないガイル。
「まじ!?久しぶりだな~。行こうぜアキラ!」
気分ルンルンのレイモンド。
受付嬢に討伐した魔物の素材や出来事を報告。
「もの凄い数ですね!!変異種ですか……。かなり危険な目に遭われたことでしょう。この度はクエストに尽力いただきありがとうございます。報酬ですが緊急クエストでしたので倍の24000G。さらに出来高の80000Gで104000Gになります」
緊急クエスト恐るべし。一撃で大台を越えてしまった。
レイモンドとアキラは報酬金額に目を丸くする。
「隊長~、すげー額だ。俺こんな大金見たことねーよ」
テンションが上がるレイモンドとは対照的に低いガイル。
「ああ、それは良かった」
ヨハンは受付嬢と何やら話し込んでいた。
「分かりました。【永遠の満足】さん、【ラッキークローバー】さん。当ギルドのラウンジブースに案内させていただきます」
案内された部屋へと入るとテーブルにソファー、ドリンクサーバーが備え付けられていた。
「隊長~、俺こんな部屋知らなかった。ドリンクも飲み放題みたいだぜ」
「はしゃぐなよレイモンド」
「ヨハンは何飲む?私は紅茶飲もうかな」
「すまない、俺も紅茶をいれてくれ」
「エリシア、俺にはビールいれてくれ」
「あんたは自分でいれなさいよ」
飲み物も入れ終わり各自ソファーに腰をかける。
重たい空気の中、最初に切り出したのはヨハンだった。
「さっきも言ったがアキラは俺たちのパーティへ移籍してもらおうと考えている。俺たちといれば最大限に力が発揮されるはずだ」
「どうしてそんなにアキラに拘るんだ?お前たちの実力が凄いのは充分わかった。だからこそ、わざわざアキラを引き抜く必要はないと思うが」
「お前らはアキラのことを何も理解していない……そこに理由がある」
「え?アキラどこか行っちゃうの?」とレイモンドが悲しそうな顔をする。
「アキラは確か〈空間収納〉のスキルを使っていたな?それ以外にも隠し持ったスキルがあるはずだ、違うか?」
「そうなのかアキラ!?」
図星を突かれたかのような表情を思わずしてしまうアキラ。
「うん……あるにはあるけど、全然役にたつようなスキルでもないから言ってなかったんだ」
「やはりな。俺が考える限りでは個々の能力上昇系……それもかなりの数値だ。お前ら、アキラが加入してからそのような違和感は感じなかったのか?……まさか自分たちの実力とでも思ってたんじゃないだろうな」
【ラッキークローバー】の面々は動揺を隠しきれない。確かにクエストが上手くこなせるようになり始めたのはアキラが加入してからのことだったからだ。そしてそれは、自分たちが成長したからだと思うようにし現実から目を背けていたのかもしれない。
「で、でも私が持ってるスキルは〈料理術〉ってスキルで料理が上手に作れるだけのスキルだよ。クエストはみんなのおかげだよ」
「ハハハっ」と突然ガイルが笑いだす。
「そういうことだったのか……すまないなアキラ。お前のこと分かっていたようで何も分かってなくてな」
「アキラの作った料理によって何らかの恩恵を受けていたのは間違いない。俺がアキラの仲間ならそのことにすぐに気が付いただろうし、実際闘ってみてかなり驚かされた」
「で、でもガイルさんたちは私の恩人……4人で【ラッキークローバー】だよ」感極まって思わず涙ぐむアキラ。
ガイルがアキラにハグをする。
「ありがとうアキラ。だがお前は今日でクビだ。俺たち【ラッキークローバー】は今日で解散する。また1から【トライクローバー】としてやり直しだな」
「アキラ~!!どこにも行くなよ~」レイモンドはアキラに泣きついた。モーリスは目を赤くしながら首を横に振り、レイモンドを引き離す。
「最後の挨拶は済んだか?早速アキラ移籍の手続きをしにいこう」
「ヨハン、最後に1ついいか?お前はいったい何を目指してるんだ?」
珍しく笑顔を見せるヨハン。
「S級ランクになるのは当然だが、主の討伐!それが俺の夢だ」
「これだからヨハンの仲間はやめられねーぜ!」
「あなたらしいわね」
斯くしてアキラは正式に【永遠の満足】に移籍となった。
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