第12話 レベ違
待ってましたとばかりに肩を慣らし始めるボルグとエリシア。
「エリシア、頼む!」
「分かってるってば」
エリシアが持っているヘブンズロッドが光輝く。
「いくわよ!《度重なる光》」
ヨハンの大剣とボルグの大砲にエンチャント。
エンチャントされた武器は光属性となり強化された。
ヨハンは果敢にミノタウロスの群れに1人突っ込む。
デカイ剣を軽々と振り回し、豆腐でも切るかのようにばったばったと切り進む。
(想像以上だ……。素晴らしい威力、キレ、スピード。やはり俺の目に狂いはなかった)
「ボルグ、お前もこの祭りに参加しろ。面白い魔法をかけといた」
ボルグは少し距離をとり、大砲をぶっぱなす。
次々とミノタウロスを一撃で仕留めていく。
「こいつは面白れ~。おいおいヨハン、いったい何をしたんだ?いつもの何倍もの威力だぞ」
ガイルたちにとって信じられない光景が繰り広げられていた。
「なんて奴らだ……。これがA級ランクパーティの実力なのか」
「悔しいが俺たちと段違だ……」
ガイルたちが呆気にとられている間に、ほとんどのミノタウロスはヨハンたちによって倒されてしまった。
気付けば残り3体……ナイトメアタウロスだけとなっていた。
目を閉じるヨハン。それを見るや否やボルグとエリシアはその場を引き返す。
「……《無限の斬撃》!!」
3体いたはずのナイトメアタウロスは一瞬にして細切れにされてしまった。
「いったい何が起きたんだ!?」
「俺たちがあんなに苦労した魔物が……」
ものの15分で足らずで残りの魔物がヨハンたちによって一掃された。
夢でも観てるような光景がアキラの目の前で起きていた。前に所属していた【結合する絆】も同じA級ランクパーティではあったが、ここまで圧倒的なものではなかった。
闘い終わったヨハンは砂ぼこりの付いた服をパンパンと払いのける。
(さっき助けてもらったお礼言わなきゃっ)
「あの……ヨハンさん。さっきは助けてもらってありが」
「チュっ」
ヨハンはいきなりアキラにキスをした。
「え??」
「アキラ、やはりお前は俺たちのパーティに入らないか?俺ならお前を守れるし、今よりも遥かに面白いことが待ってる」
突然のことで動揺して上手く頭が回らないアキラ。
ガイルたちの方に目線で助けてを求める。
「やつらなら完全に戦意喪失中だ。おい、ガイル。クエストクリアの報告をすると良い。今回の出来高もお前らに全部くれてやる。その代わりこいつは俺たちのパーティに来てもらうがな」
「アキラ、女同士仲良くしましょう♪」
「これからは俺たちの仲間だ、よろしくな。こいつは相棒のキャサリンってんだ」
「この通り俺の仲間たちも大歓迎している。後はお前の返事ひとつだ」
「ま、待ってくれ。確かにお前たちの凄さはわかった。だがアキラは俺たちの仲間だ。4人で【ラッキークローバー】なんだ。そうもやすやすと俺たちの仲間を取られてたまるか」とガイルは声を振り絞る。
(意外としぶといな……)
「……いいだろう。今日はもう遅いし、明日にでもギルドに帰還し話し合いの機会を設けよう。アキラを仲間にするのは誰が相応しいのかを」
うつむくガイル。地面を殴るモーリス。
「あ、アキラ~。ミノタウロスの回収忘れてるぞ~」
何も分かっていないレイモンド。
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