第1話 追放されたアキラくん
俺の名前はアキラ。一応冒険者をしている。
【結束する絆】のパーティの一員で主に雑用を任されてる。
回復魔法を多少なりとも使えるのでみんなの健康と体調管理。便利な〈空間収納〉というスキルでみんなの荷物を運んだり、モンスターの素材を回収。調理器具も収納していて毎日料理も担当。
自慢じゃないが、毎日作っているおかげで料理は一流になっていた。
「アキラー!」リーダーのアレクが何やら叫んでいる。
「なにーリーダー!?……ご飯かな?」
「違う!!お前は今日でクビだ!」
突然のことで何を言われているのか最初は理解ができずにいた。
「ん?ドッキリか何かかな?」
「そんなんじゃねーよ。追放だよ追放!とっとと荷物をまとめて出て行ってくれ」
「え??ちょっと待ってよ!俺、何かした?悪いところがあったらあらためるしさ」
「このパーティは男しかいないんだよ。女が欲しい。雑用だけなら女でもできるだろ。だからお前はクビだ」
確かに戦闘向きでは無かったのは自覚していた。だからみんなの役にたてるように、雑用や料理なんかも頑張ってきたんだ。それなりに、役割は果たせてると思ってたのに。
「嘘だろ!?なあバルボッサ!キッドマン!お前らも何とか言えよ。一緒にやってきた仲間だろ!?」
「……スマン……」
「アキラには悪いが俺も女の子が良い。気の毒だが多数決で決まったんだ」
「そういうことだ。分かったらとっとと出てってくれ。置いてやっていたことに、むしろ感謝してほしいくらいだ」
「……………そうかよ……わかった。今まで楽しかったよ…ありがとう……」
俺は部屋を出ると、今までの記憶がフラッシュバックし涙が止まらなくなった。
「うあぁぁぁぁぁ!!!」
とにかく走った。体力の続く限り走った。
……ここはどこなんだろう。気が付くと森の中にいた。
「……こんなところにお客さんかい!?100年ぶりだね」
森の中にポツンっと1軒、小屋のようなものが建ってある。どうやら、そこから声がしているようだ。
なぜか引き寄せられるように部屋の中に入ってしまった。
「可愛い坊やだね~。……して何を望む!?」
「見返してやりたい。あいつらを見返してやりたい」
「ハハハハハっ。いいだろ………」
その瞬間、意識を失ってしまったようだ。そして、目を覚ますとそこは森の入り口だった。
「大丈夫かい!?嬢ちゃん」
(ん?俺の他に誰もいないよな!?)
通りすがりの冒険者一行が俺を保護し、一緒に宿まで連れて行ってくれた。
「ありがとうございます。こんな見ず知らずの俺にご飯までご馳走になってしまって」
行くアテのないアキラは意を決する。
「実はパーティを追い出されて行くところがないんです。俺をこのパーティに入れて貰えませんか?戦闘は得意じゃないですが、雑用ならなんでもします」
「こんな可愛い子ならみんな大歓迎だよ。なぁ!?みんな!」
「ああ!こんな可愛い女の子が欲しかったんだよ。戦わなくていいから。居てくれるだけでも全然嬉しいぜ♪」
良かった…。ホッとしたのか急に緊張の糸が切れ、頭が冷静になっていく。
目を覚ましたところあたりから、さっきから妙に引っかかる。
それに胸の辺りがやけに重たいんだよな。
「ぽにょっ」胸に手をやるとおっぱいの感触。
「すみません、鏡ってありますか?」
手鏡を借りて自分の顔を確認。
「ええええぇぇぇぇぇぇえええーーーーー!!!!何じゃこりゃぁぁぁぁあああああ!!!!」
そこには美少女で巨乳の女子の中の女子がいた。
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