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【閑話】これまでのあらすじ・伍


壮太「今回でおさらい回は終了。本編に追い着きます」

果林「私の出番も終わり……です?」

壮太「あ、えーっと……」



■これまでのあらすじ■


 ファミレスで昼食を取った平壮太一行は次に水族館へ向かう事になった。水族館まではそれなりに距離がある為、一行は最寄りのバス停へ赴き、そこで坂梨美織と遭遇する。

 美織は偶然、買い物する為にこの街へ来ていたというが……当然ながら嘘である。しかし、壮太がその嘘に気が付く事はなく、その不自然さに疑問を抱いた人間は橋爪志緒のみであった。

 美織を加えた壮太一行はバスに乗り、水族館へと辿り着いた。

 しばらく水族館を観て回っていた壮太達であったが、そこで志緒が動いた。彼女はこの水族館の規模と入り組み薄暗い館内において、壮太と二人っきりの状態を作るよう画策する。

 目下、障害になるのは志緒にべったりの常石明菜教諭。彼女を引き剥がす為、志緒は売店へと移動する。

 売店でイルカのキーホルダーが売り切れである事を知っていた志緒は一芝居打ち、明菜を別の階にある売店へと赴かせた。彼女が別の売店へキーホルダーを探しに行っている間に、今度は美織を引き剥がす作戦にでる。

 壮太に関しての話を付けようと挑発し、美織を別の階にあるカフェへ誘導した志緒。彼女は次に穴山将一と砂川瑞穂を別行動させる事にした。

 本日のWデート。その最たる目的は将一と瑞穂の仲を取り持つ事にある。壮太へは先に最上階である三階へ赴いてもらい、将一らを言葉巧みに連れ出した志緒は、作戦の成功を確信していた。

 後は志緒自身も三階へ向かい、そこで開催されているイルカショーへ紛れ込んでしまえば、かなりの時間を壮太と二人っきりで過ごせるはずであった。だが……そこで志緒は売店へキーホルダーを探しに行っていた明菜と鉢合わせしそうになり、咄嗟に身を隠す。

 不幸であったのは、そのスパイのような怪しい行動を取っている様子を水族館に配備されていた警備員に見つかってしまった事だ。

 事情聴取など受けてる間に期を逃してしまうばかりか、折角引き離した明菜にも見つかってしまう。

 志緒は逃げた。水族館内でその豊満な乳を揺らしながら、警備員との壮絶な鬼ごっこが幕を開けたのだった。


壮太「は…橋爪さん……?」

果林「志緒ちゃんって、ある意味バイタリティの塊ですよね〜! あ、ちなみに怒った時の目付きは相当凶悪らしいですよ? 何でも邪竜の瞳のようだって、穴山くんも言ってました」

壮太「邪竜!?」

果林「壮太くんの周りって、凄まじい娘が多いですよね。美織ちゃんは鬼神、志緒ちゃんは邪竜、芹ちゃんは……あ、まだ内緒でした!」

壮太「なっ?! 芹ちゃんまで……」



 志緒が水族館内で警備員から逃亡している間、将一と瑞穂は今後について話し合っていた。二人が出した答えは別離。ここに二人の恋は終わった。

 惚れやすい質である将一の告白に応じる形で付き合った瑞穂であったが、彼女が好きになったのは将一の親友である壮太であった。

 己の気持ちを隠したまま将一と付き合うよりも、尻軽だと罵倒されようが正直に気持ちを話す方が誠実だと考え、瑞穂は別れを告げる事を選択したのだった。

 その頃、カフェで待ち惚けしていた美織であったが、自身が志緒に嵌められた事を悟り、行動を開始する。彼女もまた、壮太を探して水族館内を彷徨い出した。

 一方、瑞穂からフられた将一もふらふらと水族館内を彷徨っていたが、そこで運命の出逢いを果たす。

 将一や壮太達が通学する際に良く見かける美人OL、名を小夜子というが、彼女もまた今日の水族館デートで彼にフられたばかりであった。

 二人の出会いは偶然。しかし、この偶然は二人にとって何よりの幸運であった。


壮太「う…嘘だ……」

果林「壮太くん?」

壮太「嘘だと言って下さい、果林さん。このままでは俺が……あの憎きネトリストに!? う…うおおおおおおおっ! 何故、何故ですか! ダビデ様ぁあああ!」

果林「お…落ち着いて! 落ち着いて、ね?」

壮太「……壊してやる。何もかも……」

果林「ひぃ!? 壮太くんが闇堕ちした?!」



 その頃、壮太は三階のイルカショー会場に来ていた。志緒の話ではここで彼女らと合流できるはずだったのだが、誰の姿も見えなかった。

 皆を探しに行くべきか壮太が悩んでいると、そこに明菜が現れた。彼女もまた皆を探していたようだ。

 ここで明菜は壮太をイルカショーへと誘う。その理由は彼の相談に乗る為。

 明菜は退学の件で壮太が心を痛めていると考えていたので、彼の相談に乗ると同時に、イルカセラピーによって壮太が受けた心の傷を癒せればと考えたのだった。

 イルカショーの会場に美織が居る可能性もある為、明菜の提案に乗り、ショーを観賞する事にした壮太だったが、彼女との話の中で意外な事実に気が付く。明菜は道野辺芹の叔母にあたる人物だったのだ。

 芹の家庭環境の事を気に掛けていた壮太は、明菜へ道野辺家の家庭問題に関わらせて欲しいと頼み込んだ。

 芹の家庭問題へ他人である自分が立ち入る為、叔母である明菜から了承を得たいと、壮太は考えたのだ。

 その時、壮太に角樹里亜から連絡があった。その内容は芹が倒れたというものだった。

 電話を受けた壮太は明菜を連れ、角家へと急ぐ。


果林「はい。ここまでで、おさらい回は終了になります。お疲れ様でした」

壮太「俺がネトリスト……(ブツブツ)」

果林「私の出番もお終いですね〜。あ、壮太くんが私を勇太さんから寝取れば、まだチャンスがあるかもしれませんね」

壮太「!!?」

長い間お休みしていしまい、申し訳ございませんでした。

おさらい回はこれで終了になります。この後は第68話「磨り減らした幼心」へと続きます。第68話からが“お泊り編”になります。


楽しんで頂けるよう頑張ります。ちょっとアレな登場人物ばかりですが、引き続き壮太達を見守ってくださいますと幸いです。


尚、おさらい回において、壮太が美織や志緒の思惑に気が付いたり、自身がネトリストであった事に気が付いたりしていますが、当然ながら本編の方へは反映されません。

司会進行役で登場した果林も、一応設定的に壮太の兄、勇太の恋人として考えていましたが、今後出てくる可能性は低いです。

おさらい回における登場人物達の会話はパロディ、二次創作のようなもので、本編には無関係という事でよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] ついに自覚してしまった……
[良い点] おさらいお疲れ様です! 単なるおさらいだけではなく、読者を楽しませよう、というサービス精神がありがたかったですし、実際面白かったです! 実際、壮太が自分が難聴鈍感系主人公はおろか、ネト…
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