俺と幼馴染の朝
朝日の中、自室のベッドからムクリと起き上がった俺は、一度伸びをした後、立ち上がる。
ベッドの中でいつまでも起き上がらない奴は、大抵は低血圧、又は意思の弱い奴だ。(暴論)
あと5分?そんなグズグズしている間に、お前の彼女は間男に……(以下略)
最近は、早起きの習慣が身に付き、目覚ましが鳴る前に起き上がる事が多い。
朝、余裕をもって家を出ると、その一日は落ち着いて過ごすことができる……ような気がする。
朝ご飯を食べ、歯を磨き、制服に着替えて髪をワックスで整えると、鏡に映る自分を見つめる。
(うむ。今日もバッチリだな)
身嗜みを整える事は大切だ。えっ? 人間は外見じゃなくて内面が大事だと? 馬鹿を言うな!
人間が他人を評価する場合、大抵は第一印象で決まってしまう。初頭効果というヤツだ。
外見が冴えないという事は、それだけで間男達に舐められる危険性あるのだ。
逆に、外見をそれなりに整えるだけで、その危険因子を排除できるのなら、やらない手は無い。
(しかし……あれだな)
鏡に映る自分を見て、つくづく思う。
確かに、俺の顔面偏差値は平凡そのもの。モブ中のモブと言っていい造形だ。
だが、眉を整えて、髪型を自分の輪郭に似合うものに変えれば、雰囲気だけはイケメンになれる。
正統派のイケメン王子様にはなれなくても、まぁ、及第点だろう。
家を出て、100mくらい歩くと、美織との待ち合わせ場所に着く。
先に待ち合わせ場所に来ていた美織に軽く手を上げて挨拶する。
「おはよう。美織」
「あ……、おはよう。壮太」
うむ。相変わらず美織は美少女だ。朝から絶対的美少女オーラを惜しみなく放っている。
そんなオーラを放っていたら、先程すれ違った七三分けサラリーマンあたりに……(以下略)
「最近、壮太さ。なんか、その……ちょっと、かっこよ……変わったよね」
「そうか?」
「うん。ワックス付けてるし……中学の頃までは、髪型とか興味なかったじゃん」
「まぁな。人は変わるものさ。……いや、変わってしまうんだ……(NTRヒロイン達のように)」
遠い目をしながら、哀愁漂う台詞を吐くと、美織は何故か俯いた。
そして、何かを決心したようにガバっと顔を上げると、こちらを見据えて口を開いた。
「穴山くんとは、何もないからね。私は変わってないから……」
不安そうに見つめる瞳を見つめ返し、俺は美織の頭に手を添える。
「解ってるよ。美織」
「壮太……」
瞳を潤ませて微笑んだ美織を見て思う。
(なんて寝取られヒロインっぽい台詞なんだろう……。美織のネトラレリスク偏差値を再計算せねば!)
5話で全然、終わりませんでした!ごめんなさい。
もう少しお付き合い下さい……。
プロットがスカスカで当てにならない。泣