少女は、
今回は短いです。
※今回から痛い場面がある場合こちらに書かせてもらいます、ご了承ください。
完全に座り込んでしまっている二藍を、覗き込むようにしゃがみこむ少女。
「連れの子ごめんね、今寝てるだけだから。まぁでも、ちょっと強くやりすぎたや。そっちが殴りかかってきたから……許してくれない?腰抜かすほど怖がらせてごめんね、お嬢さん。ところでお名前聞いても?」
「えっ…あっ……あの………」
「おっと、ごめんね“名を名乗るなら自分から”だったね。アタシは鈍って言うんだ。そのまんま鈍って読んでくれや、お嬢さん。」
「えと…じゃ…鈍ちゃん。私は……二藍って言うの。でっでも、お願い浅葱にだけは手を出さないで!お願い……」
「おっ、フタアイってのはお嬢さんの事か。安心して悪いことはしないから。お嬢さんがフタアイなら話が早いんだけど…さっきからして…もしかして、ほんとに話聞いてない?」
「だから浅葱が言ってたように何も知らないんだってば!逆に聞きたいくらいなんだけどっっ!?」
「え?なんでここに来たのかも?なんにもスイッチの話も聞いてないの?」
縦に首を2回振る。
「んー……じゃあ、ここで話すのもなんだし、甘いお菓子でも食べながら説明させて。」
「甘いッ……お菓子っっっ!!」
死んだ魚の目をしていた二藍の色彩が蘇る。鈍の両手を掴み。
「鈍ちゃん!行こう!」
「おっ…おう…」
二藍にしっぽがついていたなら大きくしっぽを振っていたんだろうと思う鈍だった。
次に見えたのは天井だった。
「(これがエ〇ァの知らない天井か…)」
どこぞのエ〇ァのタイトルが頭をよぎる。
「………………………(スヤァ)」
「……………………………………………違うそうじゃないっっっ!!!!」
体にムチ打って起こす。目先のドアに手をかけようとするが、目の前が暗転してカクンとその場に座り込む。
「(うっげぇ…気持ち悪い…)」
ドアノブが回る。
そこから顔をひょっこり出したのは口元にクリームをつけた二藍だった。
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