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第131話「拗ねて甘えん坊の彼女」

「――むぅ……」

「シャーロットさん、なんで頬を膨らませてるの……?」


 ある程度引っ越しの準備が終わった後、俺の部屋に来たシャーロットさんはなぜか拗ねていた。


「んっ……」


 そのまま、俺の胸に飛び込んでくる。

 そしてギュッと抱き着いてきて、スリスリと顔を俺の胸に押し付けてきた。

 かなり甘えん坊になっている。


「明人君と長時間離した上に、花音ちゃんと明人君を一緒にいさせたのが気に入らなかったみたいね。エマをそっちに行かせたのも、二人きりにさせないためでしょうし」


 シャーロットさんの状態に関して、後ろに立っていたソフィアさんがわかりやすく教えてくれた。

 そういえば、こんなに離れたのはここ最近なかったな……。


 ――まぁ言うて、半日程度なのだけど。


「…………」

「あ、あの、有紗さん……? そんな冷たい目で見なくても……」


 呆れているのはわかるが、白い目を俺に向けられても困る。

 別にわざと、いちゃついているわけでもないのだし。


「シャーロットさん、みんなの前だから……」

「…………」

「うっ、そんな捨てられた仔犬のような目で見なくても……」


 離そうとすると、潤った瞳で寂しそうに見つめられてしまい、罪悪感が沸いてきた。

 こんな状態で離せるほど、俺の心は強くない。


「依存、させすぎちゃったわね」

「ソフィアさん、完全に他人事ですね……?」

「まぁ、明人君とロッティーの問題だしね。それよりも、もうこっちも終わりそうかな?」


 確かに俺とシャーロットさんの問題といえば問題なのだけど、こうなったのにはソフィアさんも結構関わっている気がするんだ……。


 いや、甘えてくれるのは嬉しいんだけど。

 ただ、人前だとやっぱり恥ずかしい。


「えぇ、お姉様。もうすぐ完了致します。エマちゃんは、疲れて眠ってしまいましたが」


 疲れたというか、飽きて寝たというか……。

 まぁもともと俺の荷物がほとんどなので、エマちゃんに手伝わせる気はないのだけど。

 それにしても、花音さんの膝を枕にして、気持ちよさそうに寝ている。


「それじゃあ、後は私と有紗ちゃんのほうでやっちゃおうかな?」

「えっ、いや……それは悪いですよ。俺の荷物なんですし」

「明人君は、そっちをなんとかしなさい」


 そう言ってソフィアさんは、俺の腕から離れようとしないシャーロットさんを指さす。

 そんなシャーロットさんといえば、相変わらず頬を俺の腕へと擦り付けていた。

 移動の際、胸から腕へと移ったのだけど――この子……俺にマーキングしてるんじゃないよな……?


 嫉妬深いし、なんだかありえそうな気がした。


「お嬢様は、ごゆっくりしていてください」

「いいえ、有紗。お姉様がなされるのに、私がお休みするわけにはいきませんよ。この子のこと、見ておいてくださいね」


 俺たちを横目に、花音さんは有紗さんにエマちゃんを預ける。

 しかし、幼女の扱いは苦手なのか、有紗さんは困ったようにキョロキョロとし始めた。


 意外なところに弱点があるんだな、あの人……。

 てっきり、完璧超人だと思っていたのに。


「それではお姉様、やってしまいましょうか」

「花音さん、俺は……」

「明人は、シャーロットさんをよろしくお願いしますね?」


 有無を言わせない笑顔を向けられてしまい、俺は黙ってシャーロットさんを別室へと連れていくのだった。

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