表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

112/147

第112話「マシな顔付きになったようですね」

「有紗さん……」


 俺は、半ば睨んでいるような目でこちらを見つめる有紗さんの顔を見つめる。

 すると、シャーロットさんがなぜか俺の前に出た。


「シャーロットさん……?」

「あの、明人君のことを悪く言わないでください。彼は、故意に他の方を傷つけるような方ではありませんので」

「へぇ……」


 いきなり前に出るから何かと思ったら、シャーロットさんは俺のことを庇ってくれた。

 優しい彼女が若干他人に牙を剥いたことに、俺は驚きを隠せない。

 その牙を剥かれた有紗さんはといえば、なぜか感心していた。


 そして、俺に視線を向けてくる。


「あなたは、お嬢様たちに感謝するべきです」

「えっ?」

「いえ、なんでもありません。お嬢様たちがお待ちです、車に乗ってください」


 今の言葉はいったいなんだったのか。


 そう疑問を覚える俺だが、有紗さんからは威圧的な雰囲気がなくなり、一般的なメイドのように俺たちを案内し始めた。

 シャーロットさんに視線を向ければ、彼女も戸惑ったように俺の顔を見上げてくる。

 有紗さんをよく知る俺がわからないのだから、シャーロットさんにもわかるはずがない。


「行こう」


 だから俺は、シャーロットさんにいらない心配をかけないように笑顔を返した。

 そして、先にシャーロットさんに乗ってもらう。


「…………」


 リムジンに乗るシャーロットさんに視線を向けていると、なぜか有紗さんが俺の顔を見つめてきていた。


「どうしました?」


 だから声をかけてみると、彼女は素っ気ない表情で俺の顔を見つめてくる。


「どうやら、マシな顔付きになったようですね」


 有紗さんはそれだけ言うと、さっさと運転席に座ってしまった。

 俺が乗るまで待たないところは、相変わらずだ。


「明人君、どうされました……?」

「あっ、いや……なんでもないよ」


 シャーロットさんが不安そうに声をかけてきたので、俺は笑顔で答える。

 そしてリムジンに乗ると、自動的にドアは閉まって車が発進した。


「あっ……わんちゃんたちが、たくさんこっちを見てます……」


 道中、放し飼いにされた犬たちが揃ってこっちを見ていたので、シャーロットさんは驚いていた。


「こっちから何かしなければおとなしいから、賢い犬たちだよ」

「明人君はよくここで遊んでいたのですか?」

「いや、入れてもらったのは数えるほどしかないかな」

「そうですか……」


 シャーロットさんはそれ以上聞いてこなかった。

 その代わり、トンッと頭を俺の肩に載せてくる。


 有紗さんとは離れているから邪魔が入ることもないので、俺はそのまま彼女の好きなようにさせることにした。


皆様、お待たせしました!


いよいよ明日2月25日は、『お隣遊び』の発売日です(*´▽`*)


多くの方の手に取って頂けますと、幸いです!!


最高なイラストばかりですので、

よろしくお願いいたします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『新作です……!』
↓のタイトル名をクリックしてください

数々の告白を振ってきた学校のマドンナに外堀を埋められました

『数々の告白を振ってきた学校のマドンナに外堀を埋められました』5月23日1巻発売!!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
数々1巻表紙
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  


『迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について』8巻発売決定です!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
お隣遊び6巻表紙絵
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  


『迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について』コミック2巻発売中!!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
お隣遊びコミック2巻表紙
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  

― 新着の感想 ―
[良い点] 前回から、不安でありましたが 今回の話で、有紗さんが、「どうやら、マシな顔付きになったようですね」 と明人君に言ってくれたのがいいですね。これはいい傾向か? [気になる点] 続きが凄く気に…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ