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第107話「もう一つの手段」

「――さて、鬼が出るか蛇が出るか……」


 彰を宥めて帰らせた後、俺はシャーロットさんと二人で隣の部屋の前に立っていた。


「凄く緊張されていますね……」

「そりゃあ、ね」


 今から会おうとしている人は、過去に酷く傷つけてしまった人だ。

 そしてその近くには必ずドSなあの人がいる。

 さすがにこの二人に平然と会えるほど俺のメンタルは強くない。


「大丈夫ですよ、きっとお話しをすればわかって頂けます」


 緊張をしていると、シャーロットさんが優しい声を出しながら俺の手に自分の手を重ねてくれた。

 顔は赤く染まっており、本当はこういうことを自分からするのは恥ずかしいのだろう。

 それでも俺を安心させるために頑張ってくれた彼女に対し、俺は笑顔で口を開く。


「ありがとう。それじゃあ、行こうか」


 俺は意を決してインタホーンを鳴らす。


 そして――

「「…………」」

 ――誰も、出てこなかった。


 シーンと静まり返った中、俺とシャーロットさんはどちらともなく目を合わせてしまう。

 するとシャーロットさんは困ったように笑みを浮かべ、パンッと両手を合わせた。


「ま、漫画のように都合よくはいきませんね」


 気まずそうに笑みを浮かべてフォローをしてくれるシャーロットさん。

 なんだろう、彼女のほうが気の毒に思えた。


「仕方ないね……。他に何か連絡を取れる手があればいいんだけど……」

「あっ――」

「ん? どうしたの?」

「いえ、その……」


 何かを思い出したかのような声をあげたシャーロットさんに視線を向けると、彼女はとても申し訳なさそうに手遊びを始めた。

 視線は居心地悪そうに彷徨っており、なんだか気まずそうに見える。

 本当にどうしたのだろうか。


「何か思いだしたの?」

「えっと、実は……」

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