改めて自己紹介
食事がひと段落したとこで気になっていたことを聞いてみた。
「そういえばこの街の名前はなんというのですか?」
「ここはモノトスだよ。」
サミアが笑顔で答えてくれた。
「モノトスですか。」
「うん、サリバール公国のモノトスだよ」
「ありがとうね」
なるほど。国名はサリバールというらしい。
一緒にご飯を食べていて今更かもしれないが改めて自己紹介をしておいたほうが良いだろうか。
「改めて、僕の名前は安良田陽太です。21歳で元の世界では学生をしていました。」
「ん?アラタさんというのはお名前ではなかったのですか?」
クルアさんが聞いてきた。
「安良田は名字で陽太が名前です。陽太の方で呼んでもらってもいいですよ。これから一緒に生活もしますし。」
「ヨウタ兄ちゃんか!いいな。」
アルクはそう言って笑っている。
「そうですね、では私もヨウタさんと呼ばせていただきます。」
クルアさんもそう言ってくれた。
「では私も自己紹介しますね。クルア・ファルデです。名前がクルアです。この街の教会の長と孤児院の運営をしています。」
「アルクだ。6歳だ。好きなものは肉だ!」
「トールです。7歳です。僕は本を読むのが好きです。」
「サミアです。6歳です。ヨウタお兄ちゃんよろしくー」
「ヒルデ。5歳。」
アルク、トール、サミアは元気よく自己紹介をしてくれたのだがヒルデだけはまだ緊張しているのか目を合わせてはくれなかった。
「じゃあ私たちはお風呂に入ってこようと思うのでヨウタさんたちはお皿洗いをお願いしてもいいですか?」
クルアさんがそう言って立ったので俺はアルクとトールと一緒にお皿を洗った。
お皿を洗って食卓でしゃべっているとクルアさんたちがお風呂から上がってきた。髪の濡れたクルアさんはより一層きれいでいいにおいがした。おそらく20歳前後なのであろうが女性に年齢を聞くわけにもいかないので、正確には何歳のかわからない。
「もうそろそろ寝る準備をしましょう。歯を磨いてくださいね」
クルアさんがそう言うと子供たちが返事をして歯磨きをした後寝室に向かった。
「ヨウタさんも一緒に来てください。ヨウタさんのお部屋もご案内します。」
「すいません。ありがとうございます。」
俺も部屋を案内してもらった。空き部屋のうちの一つのようで部屋には一人で寝るためには十分なスペースがありしっかりとしたベッドが置いてあった。
「ではヨウタさんはこの部屋を使ってください。今日はお疲れでしょうからもう寝ていただいて大丈夫ですよ。」
「何から何までありがとうございます。改めてよろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくお願いします。私はまだしばらく起きていると思いますので何かあれば食卓のほうに来てください。」
そう言ってクルアさんは食卓のほうに戻っていった。
今日はなかなかに疲れたな。異世界に来て、街について教会でお世話になることになってと、よく考えればかなり順調に進んでいる。
ともあれしばらくは教会で過ごすことは出来るだろうし、でも何かしらお金を稼ぐ手段かあるいは教会でのお手伝いなどをしていかなくてはならない。明日から何をしたらいいか一応起きたらクルアさんに聞いておこう。それと「収納」に入っているお金の価値についても聞いておかなくてはならない。
あとはチートの農業授業閲覧についてだな。今夜中に一応確認しておこう。