ファミコンウォーズ
小さな島に犇めく青い戦車、自走砲の数々。山を挟み目と鼻の先の本拠地で絶望的な防衛戦が行われていた!
「ちょっと!これどうするのよ!?戦力差が有り過ぎるわよ!!」
姫率いるレッドスター軍は資金も少なく、陥落するのは時間の問題であった。
「北側と西側の通路を抑えないと敵の戦車がバンバン入ってくるぞ」
ドラゴンは嬉しそうに画面を眺めている。
「あーん!お金が無いから歩兵しか作れないよ!」
「それでいい。先ずは周辺の都市の占拠からだ」
お互いの本拠地へ繋がる唯一の通路には敵の重機が所狭しと並んでいた。
「ひえー!歩兵がすぐ死ぬ~!」
「1体でも残ってれば大丈夫だ。慌てず合流して立て直せ」
「いいぞ!地形を生かして敵の戦車を弾切れにしてやれ」
「段々とココでの戦い方が分かってきたわよ!」
小さな島の半分近くが姫の歩兵で埋め尽くされようとしていた。まさに人海戦術。
姫の歩兵は山を越え、敵の重機を残らず弾切れにさせていく。
「自走砲様のお通りよ!戦車なんぞ吹き飛ぶがいいわ!」
「ここまで来れば勝ち確だな。よし、勇者ボコってくる」
タイミング良く現れた勇者は、扉を開けるなりドラゴンの痛恨の一撃で地面へ倒れてしまった。
「顔は!?」
「微笑みデブだ」
ドラゴンは勇者の死体を扉の外へと放り投げた。
「お、勝ったか。どれ、吾輩と勝負するか?」
「へへ、良いわよ。私が勝ったら片手で操作できるコントローラーを買って貰うわ!」
「……何処までもぐうたらな奴だな」
2人は夜通しファミコンウォーズに興じたという。