決着、ゴブリンロード
本日二話目の投稿です!
よろしくお願いします!
目の前の景色が一瞬で変わる。
今目の前にあるのはゴブリンロードがレイの後ろにいる彼女に触れようとしている手だ。
レイは白黒になって遅くなった景色の中で腰にさしてある刀を引き抜いた。
転移する前に具現化した盾は転移した直後彼女の前に突き刺しておいた。
そして、レイは目の前に迫っている手に刀を振り抜いた。
──グゥオオオ!
そんな鳴き声を出したゴブリンロードにレイは振り抜いたばかりの刀をそのまま振り上げた。
そして、ゴブリンロードの手はまた切り裂かれた。
レイの刀捌きは昔から鍛錬を重ねていたようなそんな精錬された動きをしていた。だが、レイには自分で鍛錬して手に入れた覚えはない。しかし、レイのスキルにはこの動きを可能とするスキルがあった。
それはイメージスキル。自分の記憶はなくともレイは地球で学んだ知識や見た映像の一部などが記憶に残っており、その中にはゲームの中やテレビで見た剣技がある。
レイはその記憶をイメージスキルでそのまま使っているのだ。
だが、レイはそれよりも自分の動きを加速させるイメージをしており、今レイの周りは遅くなったように見える。
これにより、レイは魔力が急激に減る代わり莫大な力を得たのだ。
だが、レイはそれらの能力を使う代わりに魔力を消費するのでこの後も行動することを考えて魔力を五百は残しておきたかった。
すると、後ろの彼女から質問をされた。
「何で、何で貴方がここにいるの?あなたは私の魔法で王都に逃げたはずじゃ……」
レイはその質問に振り向きながらなるべく安心させるように微笑んで答えた。
「俺は君みたいな可愛い女の子にこんな化物を任せて逃げるような腰抜けじゃない。それに……ここで助けなきゃカッコ悪いだろ?」
そして、ゴブリンロードの腕が振りかぶってきたのでそれを切る。
レイはゴブリンロードの攻撃を避けながら足の健や腕を動かすのに必要な筋肉などを次々に切り。そして、次に首に切りかかったが刀が半ばで止まってしまった
やはりゴブリンロードは簡単に死なないようで今まで素手で戦っていたのを何故かさっき切り裂いた手で腰に巻いている布の中から取り出した剣を出して構えた。
そして、同時に周りで構えていたゴブリンソードという剣を持ったゴブリンが襲いかかってきた。
レイはゴブリンロードとゴブリンソードが一斉に攻撃してきたことに驚き一瞬隙を作ってしまった。
そして、レイは完全には避けきれず胸に切り傷を付けられた。
「くっ、くぅぅっ」
レイは咄嗟に後ろに飛びさっき具現化させた予備の盾と刀と今発動している能力に使っている魔力の消費が半端ないことに頬を引き攣らせた。
レイは最初ゴブリンロードと戦っている最中にステータスを見て1秒ごとに魔力が13減っていること気づき、さらに刀と盾を具現化させるのに合計20の魔力を使った。そして、その刀と盾は1秒ごとに1の魔力が消費され、さらに加速に魔力を一秒ごとに一ずつ減っている。だが、それだけではなく、レイが今使っている剣術のイメージに魔力を10ずつと消費している。
これのことを考えレイはいらないだろうと今考えた盾をしまおうと思った。
だが、ゴブリンたちの方から物凄いスピードで何かが飛んできていたのでそれを咄嗟に横に交わし、その後に彼女が後ろにいることを忘れていたレイは急いでそっちを見て安堵した。
レイの横を過ぎて言ったであろう矢はレイの出した盾に塞がれていたからだ。
レイは盾をしまんなかった事で守れたことに安堵しつつ早めに終わらせることを決めた。
レイは加速と今イメージした身体強化に注ぐ魔力を増やし、加速をさっきの2倍の出力になり魔力が2ずつ減って、身体強化に魔力を2ずつ流した。どうやら身体強化は魔力を2流したら身体能力は4倍になるらしくこれは動いてみてわかった。
だが、レイはどうやらこれが限界みたいだった。加速を4倍に身体強化を4倍としていて身体のあらゆるところから血が吹き出し、筋肉が断裂し酷い痛みに襲われたからだ。レイは今度からは軽く使おうと心の中で思った。
そして、レイは次の一撃に全てをかけることにし刀を鞘に一度しまった。
ゴブリンロードはこれを好機と見たのか剣を振りかざしレイに向かって剣を振ってきた。
だが、今放つのは刀で放つ技の中で初見殺しと言われる技であった。
その名は抜刀術または居合術と呼ばれるもので主にカウンターや相手の攻撃を受け流しつつ弐ノ太刀で斬るという技なのだがレイはカウンターとして使った。
レイは抜刀術をイメージし、一瞬でゴブリンロードの頭をボロボロになっている剣と一緒に一閃した。
ゴブリンロードは折れた剣を見てあれ?と首を傾げるが傾げた瞬間ゴブリンロードの首は落ちていった。
レイはその後急いで残りのゴブリンの頭を切り落とし広場の隅で唖然としている彼女に近づきながら魔力を露散させると次の瞬間
──目の前が真っ暗になり頭に激しい衝撃がきて意識を失った
ピチャンッピチャンッ
レイの顔に水滴が落ちているのを感じるレイはそれを感じて目を開けてみるとレイが守り抜いた彼女が泣いていた。
「何で泣いてるのさ……ちゃんと助けれただろ?」
そう言って涙を指で優しく拭ってやると彼女の顔が真上にあるのと後頭部に柔らかい感触があるのに気づいて身体を硬直させた。
「全く、何でこんなに魔力がゼロになってもう少しで死んじゃう所まで使っちゃうんですかっ! 馬鹿なんですか!? 馬鹿なんですね!? 心配したんですからね!? 倒れた時なんて死んじゃったかと……ですけどこれだけ言わせてください」
そう言って一息つくと最高に微笑みながらこう言った。
「生きててくれてありがとうございます」
その一言でレイはこれだけ力を使って良かったと思った。
ブクマしてくれた人ありがとうございます!
感想、評価欲しいですねー