第7話 永遠ループ
つつがなく...というわけでは無いのだが、自然に学校生活が始まった。
普通に授業も始まり、アッサリとした感じになる。
私はそれに対して...何か、うすら寒い思いをした。一体何に対してなのかは分からない。何故こんな思いをしているのかも分からない。
「~で、あるからして...」
先生の授業を左から右へと受け流す。本当に何もなかったようになっている。
そういえば、何でゆかりちゃんは私に拘ったんだろう?何で私によく関わろうとしたんだろう。
私とゆかりちゃんの接点なんて殆どない。イジメ事件が起きるまで喋ったことも殆どない。
....アレ?本当になかったの?
頭の中で何かを探っていたら、不意に右斜め前にゆかりちゃんの机が目に写った。
...ガタン
私は席をたつ。
「ど、どうしたんだ?如月」
先生が私の突然の行動に驚く。まぁ、前科があるからしょうがない。
「先生、ゆかりちゃんの机がゴミだらけで傷だらけです。何故ですか?」
私は目をそらす先生に直球で聞いた。
ゆかりちゃんの机は凄く汚くなっていた。ゴミ箱の中身をひっくり返したような状態に、何かで削ったような痕で汚い言葉をかかれている。
まるで、少し前の私みたいに。
「何故ですか?先生」
「それは...その.....」
いいよどむ教師に私は苛立った。
大体の予測はたつ。ゆかりちゃんは私に変わってイジメられているのだろう。
いや、私が問題を起こした直後にゆかりちゃんは学校を休んでいるから実的な被害はない。
ゆかりちゃんは...この状況になるのを予測していたんだ。
「放っておいたんですか?」
「如月、座りなさい」
先生が私に注意をする。うん、本当になにをやってるんだろ?ゆかりちゃんのことなんて放って置けばいいのに。
「また見てみぬフリですか?一体アナタ、何をしてるんですか?」
「如月、お前だって見てみぬフリをしていただろう?先生だって人間なんだ、生徒全員をみていられる訳...」
バン!!
先生が何か言い訳をする前に、教卓を思いっきりたたく。左手も巻き込んでいるので思いっきりいたい。
ブチュっと、何かが潰れるような音がした。
包丁で刺した後に熱したフライパンを押し付ければこうなるんじゃないかと思える痛さだ。
「大人の癖に悪いことの区別もつかないんですか!?放っておくから、この有象無象たちはこんなバカみたいで可笑しなことをしでかすんです!だってバカだから!」
「ちょっと言い過ぎだよ!茜ちゃん」
そうだそうだと、周りから声が上がる。うん、本当に何やってんだろうね。何でこんなことしてんだよ。
「見てみろ!自分のやったことにも気づかないバカなんですよ!?大人が怒ってあげなくてどうするんですか!?」
「....あ....う....」
私は大きく大きく声を張り上げると、先生は怯えたように何か単語を発している。
そして、ここまで追い詰めた癖に喋って欲しくない言葉をいった。
「すまなかった」
その言葉は先生にいって欲しくなかった。というか、大人がその言葉をいうのが私には許せなかった。
「....私に謝ってどうすんだぁぁああ!!?」
私は大きく叫び、教室からでていった。
「如月!?」
先生の止める声が聞こえるが、私はそれどころじゃなかった。
廊下を駆け抜け、階段を二段飛ばしで下る。途中でこけたりしながらそれでも走った。
さてと、突然だが私の話を聞いて欲しい。
私の性格は限りなくひねくれていて、結構自分勝手である。
人の優しさをゴチャゴチャ考えて素直に受けとる事に躊躇いを感じるし、友達はいても偏る関係はいや。
人の気持ちを理解しても共感はしない。人の気持ちを踏みにじる。自分勝手な論理でそれに反したら勝手に相手を失望する。
何故そんな風になったのかは分からない。環境のせいとか、親のせいかもしれない。
母が私を甘やかしたせいなのかもしれない。父が偏った教育を施したせいかもしれない。メディアのせいかもしれない。
いろいろと理由付けは出来るし、後付けも出来る。
けれど、結局は....自分のせいなのである。
「はぁ...はぁ...ゲホッ...はぁ...ついた」
他人とかメディアとか親とか関係ない。結局は自分が撒いた種であり、自分が好きでやった結果がこうなのである。
「すみません、ゆかりさんはいますか?」
私は息を整えてからゆかりちゃんの家のインターホンを鳴らす。
「ちょっと、話したいことがあるんです」
自分で撒いた種ぐらい、自分で処理する。




