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第5話 ゆかりの過去

ゆかり視点です。凄くしょうもない話

私は...茜ちゃんが嫌いだった。


まだ私が3年生の頃の夏休みが終わった辺りだった。夏休みの宿題に私たちは 向日葵(ひまわり)を育てることになった。


「いいですか?お花は思いを込めればすごく綺麗になるんですよー」


先生が向日葵の上木鉢を渡した時にそういった言葉。私は思いっきり頑張って育てることにした。


友達が余りいなかったこともあって、夏休み中は一生懸命お世話して、ちゃんと向日葵がさいた。


私の学校では一番綺麗に花が咲いた人は表彰される。綺麗に咲かせた私はきっと表彰されると思う。


私の些細なプライドだった。


「うわ!!茜ちゃんの向日葵凄い!」


「わ!大きい!」


けれど、一番綺麗に咲かせたのは茜ちゃんだった。


如月 茜という女の子はどこか大人びいていて、表立って行動するような子。


少し小柄で、長い前髪をカチューシャで止めていて、単純な可愛さだったら多分学校で1番とか2番とかな子。


どんな事があろうとも、全て他人事のようの見ていて、一歩後ろから見ている...そんな感じの女の子だった。


「今年の向日葵ナンバーワンは如月 茜さんです!」


当然のことながら、茜ちゃんは表彰された。


茜ちゃんの向日葵は凄く大きくて、茎も太くて花弁が大量にあった。そりゃ表彰される。


「す、凄いね!茜ちゃん!」


放課後、上木鉢と一緒に帰ろうとする茜ちゃんに話かけた。今まで殆どはなしかけたこと無かったけど、話かけなきゃ嫌だった。


「えっと...ゆかりちゃん、どうしたの?」


突然話かけた私に茜ちゃんはちょっと驚き、名前を思い出すようにいった。


「向日葵凄く大きいね!!やっぱり凄いんだな~。本当にいいな!私も頑張ったんだけどさ~。でもこんなに大きいのって逆に不気味だよね~」


私は一方的に喋りだし、必死で自分を取り繕った。こんなことに嫉妬してるなんて恥ずかしい。


だから、茜ちゃんの向日葵を誉める。心の均衡を保つために...これが私の生き方。


「...」


彼女は必死で喋る私と自分の向日葵を交互に見ていった。


「これ、欲しい?」


大きくて、凄く綺麗に咲かせた向日葵を見せながらそういった。正直にいうと...実は欲しい。


「まぁ、ここまで立派なのは珍しいしね、お店なんかでも余り見れないし...でも茜ちゃんが持ってるのが一番いいよ!大切に育てたんだから!」


色々な理由をつけて欲しいと思う正統性をだした後に、何も欲しくないようにふるまう。


本当は欲しい。あんなに大きくて綺麗な向日葵が凄く欲しい。なんで私のはあんなに頑張ったのに...小さいんだろ。


「...そっか...」


ブチり


茎の繊維をズタズタにしたような、力任せに引っ張った嫌な音が聞こえた。


「じゃあ、あげる」


大きく綺麗な向日葵を私に渡した。上木鉢と引っ付いていた茎は途中から千切れている。


「えっと...あ、でも...」


突然のことに驚いている私に、茜ちゃんは至って冷静に何も可笑しな部分なんてないかのようにいった。


「いらないなら捨てていいよ。荷物になるから元々すてる予定だったし」


「え!大切に育てたんでしょ!?」


「勝手に咲いた花だからいいよ」


しゃあバイバイ。


そういって彼女は帰ってしまった。このとき、私は何かが壊れたような感じがした。


必死で何かを守ろうとした何かを壊されたような...


私は下だと言われたような気がした...


違う、あの子は私をバカにした。私が欲しかったものを持っているのに、あの子はいらないっていった。


何で...なんでよ...


私が凄くバカな理由で茜ちゃんが嫌いになったのを...


きっと茜ちゃんは知らない。


こんな理由で人は恨みをもてる。

きっかけは小さくて、しょうもないって話です。子供なので、この程度がいいかなっと...向日葵は私の学校でもやってます。

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