表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Himmel Vogel  作者: フラップ
Kippen
9/56

初陣

 いた。


 二時。高度はこちらより上。トラクタ。大きい。単発低翼。ヒスト(ひのと)だろう。


 タフで素直だと聞いたことがある。


 相手もこちらに気付いたようだ。


「基本性能はこっちが上だ。離れるな」


 親切にも警告した。緊急周波数に言った。


「こちらプロネット航空軍。貴機の進路の変更を要求する」


 昔はもっと長かったらしい。略式だ。


 相手は無視して突っ込んできた。緊急周波数を切る。


 遼機の初陣だ。こうゆうのはできるだけ笑い話になるくらいがいい。笑い話にならないということはつまりは墜ちたということだ。


 すれ違いはロールで避ける。


 さあ。


 操縦悍は意識的に緩く。


 90度ですれ違う。


 背面に入れて、ダイブ。


 相手は二機。


 機首を起こして水平。


 相手はクロス・ターンをしたようだ。


 さらに引き起こす。大きな宙返り。


 敵の高度を超える。背面。


 隊長機が背面になって下を探した。賢明な判断だが、今回は裏目に出た。


 敵の背後に滑り込む。


 撃つ。


 当たった。


 撃つ。


 翼が吹き飛んだ。


 上昇。


 半ロール。


 やらせてやろう。


「やってみろ」


 返事はないが、わかっただろう。


 背後についている。


 ロールで周りを確認。


 遥か遠く、低空に二機。


 向かってきている。


 遼機が敵を撃墜した。


「集合、逃げるぞ」


 カリッとマイクのクリック音がした。


 帰ったらあいつの撃墜マークを描くのを手伝わなきゃな……。


 * * * *


 ヘルメットを置いた。


 主翼から飛び降りた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ