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Himmel Vogel  作者: フラップ
Kippen
13/56

終わり

「あれは……」


 ジョージじゃない、リーブァだ。速度では他の追随を許さない。爆撃機のエンジンを二発積み化物以上のパワーで駆け上がる。


 航続距離は短いが高速戦闘機の中でも最強だ。旋回性能と航続距離を捨てた設計はむしろ厄介だ。


 一撃離脱の悪魔。


 爆撃機を狙っている。だが多分追い付かないだろう。


 まだまだ始まったばかり。


 増槽さえ捨てていない。


 三機いる。


 行こう。


 左に倒れ込む。


 ラダーでスリップ。


 相手の上でインメルマン。


 そのまま引く。


 ビンゴ。


 右翼が吹き飛んだ。


 他の二機は逃げた。以外。でも賢明な判断だ。


 後ろから二機。


 シノタキが一機追い立てている。


 ここは囮になろう。


 わざとつかせた。あと一秒で撃ってくる。


 右ラダー、左エルロン、ダウン。


 咄嗟に逆。


 ディパーチャ。


 翻る。


 機首が垂直に。


 ひねり込みながら右に倒れ込む。


 スロットルハーフ。


 スピン


 周りを見る。上空に三十機。


 燃料はまだ余裕。


 左ラダー、ダウン。


 スピンから抜け出す。


 シノタキは撃ち落としていた。


 上から猛烈なスピードで何か来る。


 あれは?


 リーブァだ!


 速い。


 五機。この当たりには二機しかいない。


「ブレイク!」


 僕はマイクに怒鳴った。


 シノタキがリーブァに気付く。


 上昇するには速度が足りない。


 三機がこちらに来た。


 旋回を繰り返す。


 相手は後ろに着く。後続の二機も。


 何をやっても後ろの二機に狙われる。


 相手の速度はこちらの最高速度を超えている。


 運任せだけど……。


 バレル・ロール。


 先頭の一機をやり過ごす。旋回に入っている。速度は落とせないだろう。こちらも落とせない。


 二機目が突っ込んでくる。


 限界まで我慢。


 投下コックを引く。操縦桿を引く。


 機体は跳ね上がる。


 二機目はいけた、でも三機目が。


 フル・スロットル。


 フル・フラップ。


 機首を押さえ込む。


 すぐにそれを開放。ばね仕掛けの人形のように跳ねた。


 そのままスナップ・ロール。


 撃つ。


 軸線に三機目が飛び込んだ。


 機銃弾の残量はまだ少しだけ余裕がある。


 そのままスライスバック。


 向き合う。こうなれば速度なんて関係ない。向こうの速度とこちらの速度の足し算だ。


 撃つ。


 確認する前にブレイク。


 そのまま回り込んで二機目の後ろへ。


 撃つ。


 最初のは当たっていなかった。


 一瞬三つの煙の柱が見える。シノタキのほうは決着がついたわけだ。


 シノタキは飛んでいるか?


 相手は逃げ出したみたいだ。


 向こうから単発戦闘機、シノタキだ。


 編隊を組んで上昇。


 上空に味方が固まってる。どうやら僕らが一番下。もう帰投経路についている。


 ダンスは終わりだ。


 

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